今回は、企業の損益計算書における特別損益について解説します。皆さんが企業の業績をチェックする際には損益計算書を利用しますが、通常の損益計算書は図表のような構成となっています。

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 損益計算書からは、いわゆる年商である売上高や本業で稼得した利益である営業利益などといった様々な企業の業績を知ることが出来ます。

 今回のテーマは「特別損益とは?」ですが、図表1の「6.特別利益」と「7.特別損失」がこれに該当します。通常の営業過程で発生する利益や損失以外のもので臨時巨額のものが特別損益に該当し、前回コラムで取り上げた東日本大震災による損失も一般的にはこれに該当します。このように、企業の損益計算書においてどのような項目が特別損益として計上されているかをチェックすることで、その企業に起きた突発的事象やトピックス的な事象を把握することが出来ます。

 では、花王、資生堂、コーセー、ユニ・チャーム、ライオンの5社の直近2年間の有価証券報告書を利用して、特別損益項目をチェックしてみましょう。

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 まず各社共通して特別損益として扱っている項目ですが、図表2の通り、固定資産や投資有価証券の売却損益などが見られます。これらは、企業活動を行うに当たって比較的高い頻度で発生する事象かもしれませんが、日本の会計実務慣行では特別損益として扱われることが一般的です。この他に、東日本大震災に関連する損失なども各社共通の項目として見られます。

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田中計士

新日本有限責任監査法人 シニアマネージャー

2000年、監査法人太田昭和センチュリー(現新日本有限責任監査法人)に入所後、化粧品、食品、宝飾品などの消費者製品メーカーを中心とした監査業務に従事。その他、株式公開支援業務、内部統制アドバイザリー、デューデリジェンス、経理財務専門誌への寄稿等、幅広い業務を行う。

http://www.shinnihon.or.jp/corporate-accounting/industries/basic/cosmetics-and-toiletries/

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