第29回 離職率を抑える

 エステティック業界は、スタッフの入れ替わりがとても激しい業界です。「採用してもすぐに辞めてしまう」「やっとお客様に入れるようになったのに辞めてしまう」「やっと店長やチーフといった役職を任せられる段階にきたのに辞めてしまう」など、常にスタッフの退職に悩まされているオーナーが多いと思います。

 スタッフの退職の度に、お金をかけて採用広告を出し、時間と労力をかけて新人スタッフを育てるなど、ものすごいコストがかかっています。それでまた辞めてしまうということを繰り返すと、人間不信になっているオーナーが多いのも納得できます。

 よく「どういうスタッフを採用したらよいですか?」という質問を受けますが、それ以上に、どうしたら長く働ける環境を作れるかを考え、実行に移していくことの方が大事ではないでしょうか?

 私も前職時代、たくさんの退職希望者の面談をしてきましたが、大半が「体力的に限界」「他にやりたいことができた」ということを理由に挙げてきます。ただし、本音の部分は、小さなサロンほど、「オーナーや店長のやり方についていけない」というのが大半ですが、その段階をクリアしたサロンで最も多いのは「自尊心を保てない」ことだと思います。

 以前、どこかの調査会社の集計で、退職する理由の最も多いのが、「今、働いている会社に誇りが持てなくなった」と調査結果を見ました。サロンが出店をしているときや一般女性誌に取り上げられているとき、社長が媒体露出を繰り返しているときは、離職率は低くなるものです。それはそんな会社で働いている自分に自尊心が持てるからだと思うのです。

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榎戸淳一

株式会社ES-ROOTS代表取締役社長、一般社団法人エステティックグランプリ元理事長

新卒で船井総合研究所に入社し、様々な経験を積んだ後に「エステティック業界の健全化、イメージ回復」に使命感を感じ、船井総研内で自らエステティック業界のコンサルティングを立ち上げ、業界内で多大な実績を残す。現在では、株式会社ES-ROOTSを設立し、東京都目黒区に「fruitsroots(フルーツルーツ)」というオーガニックコスメ&エステティックサロンを経営している。www.es-roots.co.jp また、業界誌「週刊粧業」「セラピストBEAUTY」「ヌーヴェルエステティック」の連載、業界イベント「ビューティーワールド」「ダイエット&ビューティー」での講演など、活動範囲は幅広い。

http://www.fruitsroots.com/

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