皆さんこんにちは。今回は、吉野が担当させて頂きます。

 内閣府によると、国内総生産(GDP)の計算方法が2016年から変わるとのことです。GDPとはGross Domestic Productの略で、一定期間内に国内で産み出された付加価値の総額を言います。計算方法がどのように変わるかというと、GDPの計算上、これまでコストとして扱ってきた研究開発費を、産み出された付加価値の中に含めることになります。

 すなわち、研究開発費はGDPの増加要因となるのです。GDPの計算方法は、国際的に定められている基準によっていますが、その基準の見直しに伴う対応であり、国によっては既に新たな基準に対応した計算方法を採用しています。新たな計算方法によって、日本のGDPがどのように変化するのか気になるところです。

 化粧品・トイレタリー業界においても、研究開発活動は欠かせないものだと思います。有価証券報告書の「事業の状況」の中の「研究開発活動」の項では、研究開発活動の状況(研究の目的、主要課題、研究成果、研究体制等)と、セグメント別の研究開発費の金額を記載することが求められています。

 該当箇所を見てみると、各社が様々な研究開発活動への取り組みを行っていることが見てとれます。化粧品・トイレタリー業界各社がどれくらいの研究開発費を計上しているか、数値で確認してみましょう。今回は、資生堂、花王、コーセー、ライオンの直近の有価証券報告書と、5年前の有価証券報告書の数値を用いて、比較を行いたいと思います。結果は図表の通りとなります(図表1)。

新日本第32回図.jpg

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田中計士

新日本有限責任監査法人 シニアマネージャー

2000年、監査法人太田昭和センチュリー(現新日本有限責任監査法人)に入所後、化粧品、食品、宝飾品などの消費者製品メーカーを中心とした監査業務に従事。その他、株式公開支援業務、内部統制アドバイザリー、デューデリジェンス、経理財務専門誌への寄稿等、幅広い業務を行う。

http://www.shinnihon.or.jp/corporate-accounting/industries/basic/cosmetics-and-toiletries/

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