【週刊粧業2014年10月6日号5面にて掲載】
皆さんこんにちは。公認会計士の田中です。これまで数回に亘り実際の不正事例の紹介をしてきましたが、今回は不正が行われる根底にある不正のトライアングル(図表1)というものについてご説明します。
この理論は米国の犯罪学者が二十世紀に提唱したものですが、現在も不正調査実務を始め、様々な所で利用される考え方となっています。
不正のトライアングルとは、不正を行うための「動機・プレッシャー」、不正を行うことが出来る「機会」、及び不正を行うことに対する自己の「正当化」の三つの要素が揃う時、不正が行われるという考え方であり、それぞれ(図表2)のような状況が例として挙げられます。
例えば営業担当者が自己の業績を良くするために押し込み販売をする場合、経営者や支店長等からのノルマ達成に関する過度なプレッシャー、得意先と仲が良い等の押し込みをお願い出来る機会、そして「他の担当者も多かれ少なかれやってるはずだ」等の正当化の考え方等が揃っているケースがよく見られます。
田中計士
新日本有限責任監査法人 シニアマネージャー
2000年、監査法人太田昭和センチュリー(現新日本有限責任監査法人)に入所後、化粧品、食品、宝飾品などの消費者製品メーカーを中心とした監査業務に従事。その他、株式公開支援業務、内部統制アドバイザリー、デューデリジェンス、経理財務専門誌への寄稿、セミナー講師等、幅広い業務を行う。
http://www.shinnihon.or.jp/corporate-accounting/industries/basic/cosmetics-and-toiletries/
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