第9回 現金預金横領全般

【週刊粧業2015年1月12日号6面にて掲載】

 第9回では、会社資産を横領する際に一番狙われやすい対象物となる、現金預金についてフォーカスします。横領の対象物としては、換金性の高い現金同等物や有価証券等や、横流ししやすい在庫が狙われることも多々ありますが、横領犯にとっては、何よりも現金預金が対象物として好まれます。

 それは、換金行為の必要が無く、その後の足がつきにくいというのが大きな理由となります。そのような現金預金の横領について2つのケースをご紹介します。

〈ケース1〉

 A社では、得意先からの債権回収は原則として銀行振り込みとするべきとの通達が本社からなされていたが、ある営業所では「どうしてもこの顧客だけは現金取引の強い要請があるため、銀行は利用出来ない」として例外を認められている得意先があった。数年ぶりに営業担当者のローテーションがあり、前任の営業担当者が売上金の一部を不正に横領していることが発覚した。

 横領の際には売上高の計上処理自体を行われず、帳簿上は一切取引が無かったような状態となっていたため、発覚が遅れたケースである。

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田中計士

新日本有限責任監査法人 シニアマネージャー

2000年、監査法人太田昭和センチュリー(現新日本有限責任監査法人)に入所後、化粧品、食品、宝飾品などの消費者製品メーカーを中心とした監査業務に従事。その他、株式公開支援業務、内部統制アドバイザリー、デューデリジェンス、経理財務専門誌への寄稿、セミナー講師等、幅広い業務を行う。

http://www.shinnihon.or.jp/corporate-accounting/industries/basic/cosmetics-and-toiletries/

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