第9回 韓国化粧品メーカーのアジア戦略②

【週刊粧業2015年1月12日号5面にて掲載】

 あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願い申し上げます。さて、今回は前回に引き続き、アジア地域で存在感を増す韓国化粧品メーカーのアジア戦略について取り上げたいと思います。

韓国化粧品メーカーの共通戦略

 韓国化粧品メーカーのアジア戦略に共通点が多く見られます。具体的には以下の4点が共通戦略となっています。

①自然派イメージの醸成

 現在、中国やASEAN地域では、「ロクシタン」「キールズ」「オリジンズ」「ジュリーク」「ザ・ボディショップ」など自然派化粧品が人気になっており、特に中国では、欧米ブランドだけでなく、「佰草集」「自然堂」「相宜本草」といった東洋ハーブを使用した中薬化粧品が人気となっています。

 韓国化粧品メーカーはこのトレンドを利用する形で、自然派イメージの醸成を目的としたブランディングを進めています。また、中国では、「韓国化粧品メーカーが販売する韓方化粧品は中国で販売されている中薬化粧品と同様の製品である」という訴求でブランディングを進めることで、売上を拡大させています。

②品質ハイエンド/価格ローエンド

 韓国化粧品メーカーは、「欧米や日本のブランドが欲しいけど手が届かない」中間層や若年層に対して、「品質は欧米や日本のレベルに近く、価格はローカルレベルに近い」という訴求で売上を拡大させています。

 しかし最近では、特に中国においてローカルブランドの品質向上しているため、韓国化粧品メーカーは、欧米・日本と中国のサンドイッチ現象(欧米・日本の付加価値性と中国の生産力に挟まれる現象)発生を懸念しており、今後は、更なる品質向上とブランド力向上に注力する方向性です。

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浅井潤司

(株)矢野経済研究所主席研究員

2000年に矢野経済研究所に入社後、主にビューティー・リラクゼーション業界の市場調査、分析業務を担当。また、調査・分析業務だけでなく、中国市場進出支援、販路開拓支援、新規事業支援、地域振興・産業振興支援などのコンサルティング業務も手がけている。

http://www.yano.co.jp/asean_india/index.php

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