第10回 人件費不正全般

【週刊粧業2015年2月2日号4面にて掲載】

 皆さんこんにちは。公認会計士の五藤です。

 第10回では、人件費不正全般について取り上げたいと思います。人件費不正は、企業からの資金の横領を目的として利用されることが多いです。また手口はその性質上、内部で完結するものがほとんどであり、外部からは見えにくいという側面もあります。

 〈人件費不正の類型〉

 給与不正の類型には大きく従業員が主体となって給与の水増し受給を試みるものと、人事部担当者もしくはさらに上のマネジメント層が関与して行うものに大別されます(図表)。



 従業員が主体となりえるものとしては、例えば残業代の水増し申請があります。実態よりも多くの残業時間を申告することで架空の残業代を受け取るというものです。

 残業申請について事前承認制としている企業は多いと思いますが、営業職等の外部勤務の多い従業員については、事前申請と実態がかい離した場合にその検証を行うことは難しくなり、発覚しにくくなるといえます。また従業員が多くなればその管理を網羅的に行うことはますます難しくなります。

 この他にも、営業職などの従業員については、営業成績や販売実績により歩合制給与の支払や人事考課に影響したりすることが動機となる場合があります。その場合には、給与の不正受給を目的として、売上の架空計上等の不正とセットで行われることもあります。

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田中計士

新日本有限責任監査法人 シニアマネージャー

2000年、監査法人太田昭和センチュリー(現新日本有限責任監査法人)に入所後、化粧品、食品、宝飾品などの消費者製品メーカーを中心とした監査業務に従事。その他、株式公開支援業務、内部統制アドバイザリー、デューデリジェンス、経理財務専門誌への寄稿、セミナー講師等、幅広い業務を行う。

http://www.shinnihon.or.jp/corporate-accounting/industries/basic/cosmetics-and-toiletries/

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