ノーベル化学宏業、購入・使用動機を高める企画・開発を強化

ノーベル化学宏業、購入・使用動機を高める企画・開発を強化

 ノーベル化学宏業 (本社=大阪府八尾市) は、基礎化粧品を中心に、ヘアケア、ボディケア製品まで多品種・少ロット対応の生産工場をもつ。化粧品は成熟市場といわれるものの、新規参入メーカーが多い業界で、年々、注文以外の問い合わせ件数も増えている状況だ。

 同社は、その新規顧客の獲得に向けた処方開発に注力する一方で、既存顧客からのリピート受注につながるバックアップも強化。必要に応じて、依頼側の商品またはシリーズのコンセプトから、販売チャネルや販促手段など販売に関することまで踏み込んだ提案で、商品の育成をサポートしている。

 そうした中、近年、新規参入を図るメーカーや企画会社など顧客との話し合いの中で感じているのが「スキンケアへのこだわり」 が見えてこないことだという。

 配合原料やテクスチャーなどで商品(モノ)の付加価値を高めることには長け、こだわりも十分に伝わってくる。しかし、使用する目的やシーン、さらには肌トラブルなどへの対応などを含め、「生活者が本当に求めているニーズまで到達できていない」(紀野文一部長)のだ。その要因は、使用目的よりも先に商品を前提に置いていることにあると紀野部長は捉えている。

  「生活者がメーカーに求めているのは、商品ではなくて、商品を通して得られる使用方法としてのスキンケアで、ニーズは使いたい前段階の 『知りたい』 への比重が高い。メーカー側もそこにフォーカスした商品づくりをしなければならないだろう」 (紀野部長)

 商品を前提とした使用目的の提案ではなく、よりキレイになるための提案材料としての商品を打ち出していると感じられるメーカーは、定期的なリピート受注があるという。購入動機までの戦略は練られているが、その先にある 「継続使用」 まで捉え切れていないということである。

 また、「再購入」 を目的としたリニューアルや企画品の導入も、戦略としてはいいが、パッケージや成分などのアレンジにとどまっていることが多く、 結局はモノの範疇から抜けでることができていないようだ。2~3割のリピーターは望めるが、成功指標のひとつとなるリピート購入40%以上を期待するのは難しいという。

  「教育の行き届いた美容部員が販売するカウンセリング化粧品ならまだしも、セルフ化粧品は、商品よりも先に使用することを考えなければ、生活者に受け入れならないだろう。これは近年、構成比が膨らんできた通信販売などの直販チャネルの商品も同じである」(紀野部長)

 同社は、処方開発力とこれまでの経験を生かしたマーケティングで、リピート購入につながる商品の企画・開発の提案を強化していく。
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