ライオン創業者の葬儀映像、国重要文化財に指定

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ライオン創業者の葬儀映像、国重要文化財に指定

 ライオンの創業者・小林富次郎氏の葬儀映像(動画フィルム、約7分のモノクロ無声映像)が、平成23年3月18日、文部科学大臣への文化審議会の答申を受け、国重要文化財に指定されることになった。

 映像は1910年(明治43年)に撮影され、映画(動画映像)に対する重要文化財指定では、史上3番目となる。第二次世界大戦前の映像の中で現存するものは極めて珍しく、100年前の東京の人々の暮らしぶりが鮮明に収録されているという。

 「富次郎葬儀映像」(1910年12月16日、吉澤商会撮影)は、2003年、同社から東京国立近代美術館に寄贈しており、同フィルムセンターより、ポジ、ネガ両方が揃っている日本最古のフィルムと評価されている。

 1910年(明治43年)12月13日に同社創業者・小林富次郎氏が亡くなり、16日午後1時に神田美土代町の東京基督教青年会館(YMCA)で告別式が行なわれた。

 映像は柩が載せられた二頭立ての馬車を中心に、神田柳原の本店から青年会館まで歩いていく葬列の模様を撮影したもの。

 小林富次郎氏は、「慈善券付き歯磨」の製造販売を通じて社会貢献活動を展開したことから、彼の死を悼んで多くの人たちが見送っている。

 当時の最新鋭の撮影機器で捉えた映像は動きの不自然さが少なく、また100年前の東京の人びとの暮らしぶりが非常に良く分かる鮮明なものだ。

 今回の国重要文化財指定にあたっては、「日本映画として現在確認している最も古いオリジナルネガ(および上映用ポジ)であることから、映画草創期の撮影、編集、現像、フィルム素材などを研究する上で、きわめて貴重な技術資料であること」「映像内容に、明治末期の風俗(服装、女性たちの日本髪、葬祭儀礼など)や行き交う市電、東京の市街地の様子などが鮮明に記録され、時代資料としての価値を持つこと」などが高く評価された。
 同社は今年10月に創業120周年を迎える。今回の国重要文化財指定に際し、先人の遺した社会貢献の足跡、創業の精神である「愛の精神の実践」を見つめなおし、新たな歴史を構築していく。

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