国内化粧品の業態別販売動向の中で唯一、成長を続けている通販は、巨大市場・中国でも存在感を高めている。インターネット人口の急増とともに、ネットショッピングユーザーも増加しており、中国最大のショッピングモールサイト「淘宝網」(タオバオ)での出品数も膨らむばかりだ。これを背景に、日本の化粧品メーカーによる通販戦略も熱を帯びてきた。中国における最新の通販事情を識者とともに探ってみた。
中国のインターネット関連のサービス機関CNNIC(China Internet Network Information Center)が発表した中国国内のインターネット利用状況に関する報告書によると、2009年のインターネット利用者数は3億8400万人となり前年比28.9%増。2002年と比較すると実に6.5倍へと膨張するなど、今後も増加していくと見て間違いない。
中国のマーケティング事情に精通しているmdi-planetsの中溝理和子社長によると、中国における総ネット人口のうちショッピングユーザーの構成比は25%ほどだという。このうち女性が6割超を占めるほか、年代別で見ると30歳までが約80%と大勢を占めている。また、顧客属性として高学歴者や中・高所得層の利用が多いとされる通販で取引される商品カテゴリーのうち、「化粧品・宝石類」の流通総額は「アパレル・インテリア・アクセサリー」に次いで2番目に多く、全体の20%超を占める。地域性でいうと、中国の通販は沿海部の大都市に住む人の利用頻度が高く、北京や上海などの大都市では利用率が50%を超えていることも報告書が明らかにしている。
中国人の多くが利用しているのはCtoCサイトで、中でも2010年時点で3億7000万人の会員数を抱える「淘宝網」の認知度は圧倒的だ。化粧品の出品数も「スキンケア類」が98万超、「メイク類・香水」が37万超に達するという。CtoCサイトにはこのほか、日本製品を専門に取り扱う「佰宜木」(Buy-J.com)などがある。
中溝氏によると、中国の消費者がネットショッピングを利用する最大のメリットは、「価格」にある。購買力が高まった中国人にとっても、一部の富裕層を除けば「化粧品はまだまだ贅沢品の部類に入る。百貨店などの実店舗ルートで購入するより安く購入できるのは大きな魅力」という実態がある。利用者の多くが、商品の購入判断基準にクチコミのレビューを参考にしている傾向が強いことも、ネットショッピングの特徴の1つとなっている。
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この記事は週刊粧業 掲載
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