化粧品・日用品業界の商品戦略において、容器・パッケージは非常に重要な役割を担う。この業界ではブランドの世界観、製品イメージの打ち出し方が売上げを大きく左右するといっても過言ではないからだ。多種多様なブランドがしのぎを削るヘルス&ビューティ業界で少しでも強いオーラを放つべく、各社が容器・パッケージに込めた想いははかり知れないものがある。
化粧品・日用品のブランドにはナチュラルオーガニック、ラグジュアリー、ドクターズ、キャラクターなど様々な路線があり、容器・パッケージは店頭でそのテイストを的確に伝えなくてはならない。
どちらかというとテクノロジーが先行していた感がある日本に比べると、海外の容器は前衛的で斬新な容器が目立っていた。これに刺激を受けてか、近年は日本でも個性的なデザインのシリーズを提案する容器メーカーが増えており、コストパフォーマンスを考慮しながら、デザインで差をつけられる容器の開発に力を注いでいる。
これまで環境配慮型容器と言えばバイオマスが主流だったが、最近ではボリューム感を維持しながら樹脂の使用量削減に成功した容器や、ジャーのレフィル容器の開発など、別の角度からエコロジー対策が進みつつある。
容器の加飾で欠かせないのがラベルである。日用品では透明ボトルでも違和感のない同質・同素材のラベル開発が進んでいる。アイキャッチ性が求められるPOPラベルではアルミを蒸着させたメタリックカラーのラベルが目立つ。見る角度で色が変化する偏光ラベルは製品のグレード感を高めてくれる。改ざん防止機能を持たせ、中身のヴァージン性を保つラベルを採用するメーカーも増えてきた。
製品を引き立たせる一方で、容器のリサイクルを考慮し、永久接着でなく再剥離できるラベル提案も欠かせなくなってきた。この業界では容器に直接印刷するインモールドラベルが少なくないが、剥がして分別廃棄できるラベルは企業イメージアップにつながるのではないか。
容器を収納するパッケージの存在感も高まりつつある。
近年、台頭しているのがブリスターパックである。クリアケースに比べるとデザインの自由度が高いのが魅力だ。例えば、製品よりひとまわり大きく象ったり、表面にアールを持たせることでツヤや立体感を簡単に出すことができる。これにインパクトのあるPOPラベルを貼れば存在感はさらに高まる。単に容器のラインに沿ったものでなく、全体にふくらみをもたせることで豊かな表現力が可能になる。店頭で一人でも多くの人に手にしてもらうため、製品のイメージを容器だけでなく、パッケージにも反映させる企業が増えている。このためパッケージデザインは今後ますます複雑化していくことになるだろう。
印刷によるデザインが最大限に生かせるのが紙箱である。化粧品業界は組箱が中心だが、高級感と強度があり、形状のバリエーションに幅が出る貼箱は、高級クリームやフレグランス、コフレなどで使われてきた。コストは紙箱の倍以上と言われているが、丈夫で豪華な貼箱は再利用される可能性が高く、その販促効果も絶大だ。環境に配慮した紙製のメークアップ容器もあり、差別化をはかる意味でも紙製容器は今後、注目株である。
この記事は週刊粧業 掲載
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