資生堂、表皮幹細胞に着目し抗老化スキンケア技術の開発に成功

粧業日報

資生堂、表皮幹細胞に着目し抗老化スキンケア技術の開発に成功

 資生堂は、肌の自己再生力を高める司令塔の真皮幹細胞に着目して研究を進め、新たな4つの発見をし、肌の深いシワやハリや弾力の低下によるたるみを予防・改善する抗老化スキンケア技術の開発に成功した。

 その4つの発見とは、「真皮の線維芽細胞を分化している真皮幹細胞は血管のまわりでのみ安定に存在できる」「真皮幹細胞が血管のまわりで安定に存在するためには、成長因子(PDGF‐BB)が必要である」「真皮幹細胞と成長因子(PDGF‐BB)は加齢で減少する」「成長因子(PDGF‐BB)の発現を高める成分『イノシトール』を見出した」というもので、同研究成果を応用し、真皮幹細胞による再生・修復力で肌の自己再生力を高め、たるみ、ハリのなさ、深いシワを予防・改善し、美しい肌に導く新たな抗老化スキンケア商品の開発を国内外で進めていく。

 これまでも、化粧品分野において幹細胞の研究、応用がされてきたが、多くは比較的簡単にできる植物の細胞を人工的に幹細胞化し、それを配合しているのにとどまっていた。

 一方、肌の幹細胞の研究も行われてきたが、肌表面の表皮角化細胞だけを生み出す表皮幹細胞に関するものや、真皮幹細胞の存在の有無を探索するもので、真皮の再生・修復力を高め肌の自己再生力を高めるという観点から、真皮幹細胞の詳しい研究は行われていなかった。 

 そこで同社は、肌の自己再生能の司令塔である真皮幹細胞に着目し、新たな抗老化スキンケア・ソリューションを開発すべく2004年に研究に着手していた。

 今回、上述の4つの発見に基づいて、加齢で低下する成長因子の産生を促進する新成分“イノシトール”を開発し、真皮の再生・修復力を高めることにより、肌の自己再生力を高める新たな抗老化スキンケア技術の開発に成功した。同研究成果は、2012年5月9日から米国で開催される世界最高レベルの皮膚科学に関する研究学会である「第75回米国研究皮膚科学会(Society for Investigative Dermatology 75nd Annual Meeting)」で一部を発表する。

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