2012年7月10日 11時20分

【証券アナリストに聞く化粧品業界展望】通販台頭・高額品復調、海外進出など変わり目多彩に

週刊粧業

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 化粧品業界の動向を検証する試みの1つとして、本紙は特集企画「証券アナリストに聞く化粧品業界」を継続している。

 上場メーカーが市場の愛用者から評価を得ようと重ねる企業努力と、株主という一方のお客様満足のために腐心する様子を掛け合わせ、プロ見識者の目線で実態に沿った解説と今後の見通しを語ってもらっている。

 2010年には、「訪販の老舗」と「大手通販」の両面を備えた大型銘柄ポーラ・オルビスホールディングス(東京)が加わって一角が厚みを増した現在、アナリストによる一刀両断は化粧品マーケットを読み解く貴重な指標になりそうだ。

野村證券 エクイティ・リサーチ部
中小型株チーム・ヘッド エグゼクティブ・ディレクター
繁村京一郎氏

 市場の全体感/2011年に引き続いて低価格傾向の流れが止まらない。

 また、通販チャネルが台頭してきている。これは非常に大きい。老舗メーカーまでが対応せざるを得ない状況だが、消極的な取り組み方では上手くいかないだろう。もはや通販は全く無視するわけにはいかない。

 化粧品販売のあり方が従来と明らかに変わってきている。そういう転換期なのだと思う。

 異業種参入は今後も続き化粧品のマーケットは新しいプレーヤーを加え、さらに多くの事業者がしのぎを削る世界になる。そこでマーケットのパイが拡大しない以上は、はやり“削り合い”が起きる。

 そうした中で懸念されることは、(事業者間で)製品力やサービス力の競い合いが起きることはよしとして、小売店を巻き込んだ価格勝負の局面になってしまうと、マーケットの質そのものが変わってしまう可能性がある。(世界に誇れる)日本の化粧品の質を下げることなく、競争を通じメーカーの力が総体的に向上するなら喜ばしいことだと思う。

 低価格路線の現状を言い換えると、メーカーの技術が抑えた価格でも良質な化粧品が作れるレベルに達したのだといえる。そうでなければ、ここまで消費者に受け入れてもらうことができない。

 また、化粧品を情緒性で売ることができた時代はほぼ終わりに近づいている。機能性の時代へ移行が進んでいる。機能性を打ち出す傍らで「見せ方」がまだまだ大事で、「これを使ったら綺麗になれる」という印象づけがないと競合に勝てない。

 さらに、海外展開では中国一辺倒の考え方を持った企業は見直しが必要になってくる。ASEANなど、人口と所得が増えている商圏でジャパンクオリティーを買える層が増加している。今のうちに地盤を築いていけば、彼らの所得がさらに増えた時に欧米ブランドと並んで遜色ないポジションが獲れる。体力がある企業は、中国以外のアジアの国々へ根を張ることが必要になっている。

【PDFダウンロード】「証券アナリストに聞く2012年化粧品業界展望はこちら

野村證券(繁村京一郎氏)…市場の全体感、資生堂、コーセー、ファンケル、ドクターシーラボ、マンダム、ポーラ・オルビスホールディングス、ハーバー研究所、ミルボン、2012年後半の展望

大和証券(広住勝朗氏)…昨年から今年にかけての市場観、花王グループ、資生堂、ポーラ・オルビスホールディングス、コーセー、ファンケル、ドクターシーラボ、ミルボン、ロート製薬

ティー・アイ・ダブリュー企業リサーチセンター(高橋俊郎氏)…2012年の市場動向、資生堂、花王グループ、コーセー、ファンケル、ドクターシーラボ

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