資生堂、末川久幸社長が退任、前田新造会長が社長兼務

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資生堂、末川久幸社長が退任、前田新造会長が社長兼務

 資生堂は11日、4月1日付で前田新造会長(66)が社長を兼務する人事を発表した。末川久幸社長(53)は3月31日付で健康上の理由により社長と取締役を退任し、4月1日付で相談役に就任する。

 同日、都内で開かれた記者会見で末川社長は「在任期間中は常に全力疾走することを自らに課し、信念として掲げてきたが、山積する課題を解決し経営責任を全うしなければならないという強い気持ちと、特に今年度は4半期ごとに業績予想を下方修正せざるを得ないという現実とのギャップが精神的に重くのしかかっていた。現在でも課題の解決に向けて社長業を全うしたい気持ちはあるが、体調不良により持ち前の全力疾走で挑み続けることが難しい状況にある」と自身の健康状態について説明した。

 進退については、先月ごろから前田会長に相談していたといい、「『この難局を乗り切るためには、豊富な経験と強いリーダーシップが必要なこと』『現在進めている経営改革や全社経営について深く理解していること』『後継者が十分育成できていないこと』などの観点から、社長経験のある前田会長にもう一度経営手腕を発揮してもらうことが最善と判断し、(再登板を)要請した」と述べた。

 末川氏は、社長時代の前田氏の懐刀として、国内化粧品事業の改革の陣頭指揮にあたり、2011年4月に前田改革の後継者として52歳という異例の若さで社長に就任した。2012年4月には、「創業140周年」「制度品ビジネスモデル誕生90周年」という節目に、Webを活用した新ビジネスモデルをスタートさせ、国内事業の立て直しを進めてきたが、道半ばでの退任となった。

 前田氏は、2005年から6年間社長を務め、複数のブランドを統合し大量の宣伝広告費を集中投下する「メガブランド戦略」や「営業マン・美容部員のノルマ廃止」など経営改革で成果を上げたほか、中国事業を成長軌道に乗せるなど、数々の実績を残してきた。今後は前田氏のもと、さらなる経営改革に取り組んでいく。

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