2012年の身体用洗浄料市場は前年比100.8%の約520億円となった。高付加価値製品の台頭により平均単価はやや上昇したものの、世帯数の減少傾向は依然として続く。
こうした中、2013年は夏季の天候が近年並みの猛暑と仮定した場合でも、前年並みか微減で推移することが予想される。このように成熟化しつつある市場だが、その内訳は変化している。メーカー各社が香りや洗い上がりを訴求したアイテムを続々と投入したことにより、パーソナル製品が前年比138%と伸長。金額構成比も14%まで上昇し、マーケットサイズは70億円台に拡大している。一方で、固形石けん市場は、前年比97%の約160億円となり、前年に引き続き縮小傾向にある。
価格競争に巻き込まれない魅力ある商品が市場を活性
使用率の内訳では身体用洗浄剤が7割、固形石けんが3割と、ほぼ横ばいで推移している。固形石けん市場は縮小傾向にあるものの、昔からある使い慣れた安心感や、洗い上がりのさっぱり感を好む消費者が一定の割合で存在していることが数値からうかがえる。
身体用洗浄剤に求める付加価値については、「肌へのやさしさ」「仕上がり感」「泡立ちの良さ」「香り」のニーズが依然として高い。
特に、「香り」については身体用洗浄剤に限らず、他のカテゴリーでも楽しむ層が増えている。こうした影響から、香り慣れした生活者がより上質な香りと持続性を身体用洗浄剤に求める動きが活発化し、香りに対する要求水準は年々高まっている。
今回、取材したメーカーの製品動向をみると、生活者のこうした「香り」ニーズの高まりに焦点をあて、香りの提案を強化している様子がうかがえた。
【記事掲載企業】
◎花王~13年連続売上げシェア№1を堅持、「ビオレu」から香りの新提案
◎ユニリーバ・ジャパン~新生「ダヴ」が対前年比109%、敏感肌用アイテムで新規ユーザーも
◎クラシエホームプロダクツ~家族層向け「ナイーブ」で基盤強化、「ピュアサボン」を市場の起爆剤に
◎牛乳石鹸共進社~体験型推奨販売と限定の香りでカテゴリーシェア拡大を目指す
◎ライオン~「バストロジー」で新たな香りを採用、20~30代女性のトライアル獲得はかる
◎ファンケル~既存客の満足向上のため欠かせない1品の役割に
この記事は週刊粧業 掲載
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