コーセーは、2013年を初年度とする中期経営計画で、3つの基本戦略「成長ドライバーへの注力」「基幹ブランド事業の収益性拡大」「経営基盤の強化」を掲げ、最終年度となる2016年3月期には売上高1870億円、営業利益160億円、ROA9・0%の達成を目指している。
2013年度上期の連結売上高は上場以降過去最高を達成し、大幅増益も達成するなど、これといった死角は見当たらないが、国内外でのさらなる成長へ向けた方針を次々と打ち出している。小林一俊社長に新年度の課題と中期計画の考え方についてインタビューした。(記事詳細はこちら)
「雪肌精」「コスメポート」が牽引し
上場以降過去最高の売上高を記録
――国内化粧品事業のセグメント別の状況はいかがでしたか。
小林 2013年度上期の連結売上高は8・4%増と市場の伸び率を大きく上回り、上場以降過去最高の売上げを記録しました。
国内市場においては、非常に手ごたえを感じられる結果となり、特にマス市場を中心に中価格帯と低価格帯の主力ブランドが大きく実績を伸ばしました。中でも、計画を大きく上回ったプレステージ領域の「雪肌精」、2ケタ成長を持続したコスメタリー事業領域のコーセーコスメポートがグループ全体の売上げを牽引しています。
セグメント別に見ると、ハイプレステージは前年同期比3%増と堅調に推移しています。特にコスメデコルテ「AQミリオリティ」「AQMW」ラインが伸長しました。中でも7月よりプロモーションを強化した美白の「ホワイトロジスト」や、ロングセラーの「モイスチュアリポソーム」が順調に推移しています。
ジルスチュアートについては、従来のメイク中心のファッション系ブランドに加え、ライフスタイルラインの充実を図っています。
プレステージ(国内)は前年同期比5%増となりました。これは9月にリニューアル発売した「ヴィセ リシェ」がセルフ販売に移行し、コスメタリー事業領域での実績になったためであり、「ヴィセ リシェ」込みで計算すると、12%増と大幅に伸長しています。
「雪肌精」については、一昨年イメージキャラクターを新垣結衣さんに変更して以降、既存の愛用者は維持しながらも、新たに20代の顧客層の獲得ができており、特に昨年の4月に発売となった「ホワイトBBクリーム」が雪肌精ならではのスキンケア効果と、ロングセラーブランドとしての安心・安全の信頼感が支持され、計画を大幅に上回る実績を確保しました。また、5年目となった雪肌精シリーズの売上げをサンゴ育成費用に寄付する「SAVE the BLUE」キャンペーンの反響も大きく、ブランド全体でかなり実績が伸長しました。
「アスタブラン」「肌極 はだきわみ」については、雪肌精と並ぶマス市場における中核スキンケアブランドとして各種プロモーションを展開しました。
「アスタブラン」については、40代向けのエイジングケアブランドとして展開している中、上期には美白とエイジングの効能に特化した美容液を2種類発売し、いずれも好評をいただき、ブランド実績を牽引しました。
「肌極 はだきわみ」については、肌の水分保持能の改善効果がうたえる有効成分ライスパワー№11を配合した保湿スキンケアで、ターゲット層へのブランド認知向上を図るためのプロモーションを展開した結果、着実に愛用者の拡大が進んでいます。
「エスプリーク」については、引き続きキャラクターに安室奈美恵さんを起用したプロモーションを展開し、マス市場におけるベースメイク、ポイントメイクの実績拡売に寄与しました。
コスメポートについては前年同期比18%増と大幅に伸長しました。特に昨年度から引き続き好調なスプレー式「サンカット」に加え、ノンシリコンのヘアケアブランド「ジュレーム」もお客さま、流通からの評価が高く、会社全体の実績を牽引しており、一般流通市場におけるシェアも着実に拡大しています。
販社事業については、9月にリニューアルした「ヴィセリシェ」が発売当初から大変好調で、20代女性の認知度、好意率も予想を上回る水準で推移しています。今回キャラクターにローラさんを起用し、ファッショントレンドに敏感な女性に対し、新しいブランドの登場感と世界観を訴求するとともに、販売方法もターゲット層の購買行動に合わせてセルフ販売に変更しました。また価格と商品の良さのバランスやデザイン性も好調な要因のひとつと考えています。
同じく「ファシオ」については、BBクリームや既存品のエアリーステイルージュが好調を維持し、実績拡大の一翼を担いました。また1月から順次アイテムリニューアルを予定しており、従来からの品質・機能面を維持しつつパワーアップを図ることで、従来のターゲットをより広げた展開を目指していますので、さらに期待をして欲しいと思います。
「エルシア」については2月から段階的にリニューアルを行います。リニューアルにあたっては、従来のコアターゲットであったアラフォー世代から、50代をコアにしたシニア世代にシフトし、その世代がメイクをもっと楽しく手軽に買えるアンチエイジングメイクブランドへと刷新を図ります。同時にブランドロゴや店頭什器のイメージも変更します。
【その他の質問項目】
◎ドラッグストアが2ケタ近い伸び、専門店・百貨店チャネルも堅調
――チャネル別の動向はいかがですか。
――国内市場における収益改善が進展しておりますが、「原価低減」や「コスト削減」などの取り組みの現状について教えてください。
――中期経営計画では「攻めの改革」を進め、3つの基本戦略に取り組んでいます。まず、「成長ドライバーへの注力」はいかがですか。
――次に、「基幹ブランド事業の収益性拡大」についてはいかがですか。
――3つ目の「経営基盤の強化」についてはいかがですか。
――中期経営計画では、「グローバル視点での生産拠点体制の再構築」「店頭競争力の強化」など新たな施策も打ち出されておりますが、その進捗状況を教えてください。
◎下期も大型製品投入で増収見込み、創業以来過去最高の売上高達成へ
――次年度以降の基本課題、次期の抱負についてお聞かせください。
この記事は週刊粧業 掲載
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