宅配水やレンタル商品の展開で「コングロマリット企業」を標榜するナック(本社=東京、東証一部)は、2013年7月に化粧品通販のJIMOS(ジモス、福岡市)を子会社化し、新しい事業領域へBtoCビジネスの裾野拡大を進めている。
近年は100億円を割り込んで停滞していたJIMOSの売上高を、当面で2015年3月期に110億円まで引き上げる目標を掲げて成長のくさびを打ち始めている。
JIMOSの会長に就いた寺岡豊彦氏(ナック社長)は、新たに傘下入りした化粧品会社に「成長余力は十分にあると判断した」と全幅の信頼を寄せている。買収までの経緯やこの先の方向性について、現場へ一歩引いた目線を注ぐ寺岡会長に語ってもらった。(記事詳細はこちら)
成長を遮っていた因子を排除
ジモスに見た再成長の可能性
――ダスキンのFCで創業し住宅事業などへ進出した貴社が、新たに化粧品へ舵を切った経緯を教えてください。
寺岡 2年前(取材日=2013年12月)に売上高・利益とも過去最高を記録した。売上規模も利益も、そこそこ出るようになってきた。
過去に同業種が相手のM&Aは幾つか経験したが、今後の成長スピードを考えた時、自分たちがやってきた範疇以外の事業で取り入れるべきものはないかと買収を発表する1年以上前から模索していた。
対象を化粧品会社に限定していたわけではないが、ただし条件があった。メーカーや卸業は一切やらない。必ずBtoCまたはBtoBtoC事業であり、最終的にお客様の顔が見えるビジネスであることが前提だった。
当社はダスキンのフランチャイジーでスタートした企業であり、仮にFCを主宰する本部が破綻したらわれわれは道連れになってしまう。
そのためダスキン事業と全くドメインの違う事業を育てようということを創業からずっと考えてきた。このあり方を「コングロマリット」と呼んできた。
これまで、いろいろな事業を100億円単位へ育て上げてきた。100億円を達成するには10~20年もの時間軸と、たいへんなパワーと投資が要る。
その後、銀行筋などへ「どこか有望な買収先はないか」と声を掛けていたところ、2013年の3月頃にJIMOSの話が持ち込まれた。
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この記事は週刊粧業 掲載
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