ライオン、香川県坂出市と社会貢献プロジェクトをスタート

　ライオンは、同社１００％子会社のライオンケミカルと香川県坂出市と共同で、ハンドソープ№１ブランド「キレイキレイ」の商品を通じた新たな社会貢献活動プロジェクト「キレイキレイのまち 坂出」を開始するにあたり、１月２９日、坂出市役所（香川県）で調印式を行った。

　当日は、綾（あや）宏・坂出市長が挨拶した後、ライオンを代表して西山潤子ＣＳＲ推進部長が同社の社会貢献活動における歴史と現在の取り組みについて、ライオンケミカルを代表して松尾孝行取締役オレオケミカル事業所長が「キレイキレイのまち 坂出」プロジェクトの概要について説明を行った。

　式の冒頭、綾市長が挨拶に立ち、「子どもたちが正しい手洗いの衛生習慣を身に付けることによって、親御さんたちにも正しい衛生習慣が浸透・定着していくことを期待している。坂出市を挙げて全力で取り組み、キレイキレイのまちとして全国で模範となるような街づくりを進めていく」と新プロジェクトに対する抱負を述べた。

　続いて、ライオンを代表して西山潤子ＣＳＲ推進部部長が同社の社会貢献活動の歴史と現在の取り組みについて紹介した。

　同社では、創業者である小林富次郎氏の精神「『愛の精神の実践』を経営の基本とし、人々の幸福と生活の向上に寄与する」を社是とし、１８９１年の創業以来、事業を通じて社会に貢献するだけでなく、事業で得られた利益を社会に還元していく「愛の精神の実践」を、全社一丸となって取り組んできた。

　その社会貢献活動は歴史が古く、中でもオーラルケアを通じた口腔保健の普及・啓発活動においては、１９００年に「ライオン歯磨慈善券付袋入」を発売し、慈善券が印刷された空袋を購入者が慈善団体に寄付すると慈善団体が小林富次郎商店（現ライオン）や販売店を通じて寄付金に引換えるという、日本で初めての取り組みを実施したことでも知られる。また、１９１３年には全国向けとして日本初の子ども用ハミガキ「ライオンコドモハミガキ」を発売し、１９２１年には日本初の児童専門歯科「ライオン児童歯科医院」、１９６４年には財団法人「ライオン歯科衛生研究所」（２０１０年に公益社団法人化）を設立している。

　現在は、社会貢献活動の重点分野として「清潔・健康・快適」（口腔保健啓発、手洗い・うがい啓発）、「環境」（水資源保護、生物多様性保全）、「地域貢献」（被災地支援）の３つを大きな柱として展開している。

　中でも、手洗い啓発の社会貢献活動に関してはこれまで、年間１０００園（幼稚園・保育園）に手洗い啓発用ツールを配布、さらにはキャラバン隊による手洗い啓発イベント（手洗い紙芝居・手洗い体操）を実施している。

香川県内で学級・学校閉鎖が
最も少ない市の実現めざす

　最後に、松尾氏が「キレイキレイのまち 坂出」プロジェクトの概要説明を行った。

　プロジェクトでは、坂出市とライオン・ライオンケミカルが共同で坂出市民への衛生習慣の浸透・定着に向け、手洗い啓発活動を共同で推進することにより、インフルエンザやノロウイルスといった感染症の罹患を抑え、香川県内で学級・学校閉鎖が最も少ない市の実現を目指す。

　３者共同による手洗い啓発活動では、市内の保育園（７園）・幼稚園（９園）、小中学校（１８校）、公共施設（１０５施設）などに「キレイキレイ」ハンドソープを設置。保育園・幼稚園では「アラウータン体操」を実施し、小中学校では保健の先生が生徒に手洗いを指導できるようにツールを配布するほか、手洗い啓発ポスターを坂出市と共同制作し、学校や公共施設に掲示する。

　さらに、「キレイキレイのまち 坂出」のＰＲ活動も同時に展開する。一例として、坂出市のイベント（さかいで大橋まつりなど）へ積極的に参加し、ハンドソープのサンプリングを行い、手洗い啓発活動を推進していく。

　「ライオンケミカルでは、事業所に隣接している瀬居町のお大師市と沙弥島の海開きに合わせて、社員による清掃活動を毎年実施しているほか、生物多様性保全活動では事業所内にトンボ池を造成し、香川県絶滅危惧種Ⅱ類のマイコアカネを誘致し、従業員や近隣の幼稚園児を招いて自然観察会を行うなど、自然に対する触れ合いの機会も提供している。新たなプロジェクトを加えることで、より一層地域の人々へ貢献していきたい」（松尾氏）