伊勢半本店、企業史展「愛せよコスメ!」開催|時代性反映した各製品に世相見え

カンタンに言うと

伊勢半本店、企業史展「愛せよコスメ!」開催|時代性反映した各製品に世相見え

 2014年に創業190年目を迎えた伊勢半グループは1月25日から3月31日にかけ、伊勢半本店紅ミュージアムで企業史展「愛せよコスメ!」(展示会詳細はこちら)を開催している。

 開催趣旨として「日本における戦後化粧史の変遷を、今日までの流行ファッション、メイク、そして『キスミー』化粧品の歩みとともにご紹介します」(同社)と掲げた同展は、ものづくりにおける競争力の高さを自負する同社が、製販一体型企業として積年のアイテムを年表化した展示会となっている。

 開催に至った端緒について澤田晴子社長の言葉を借りて説明すると、「200周年がすぐにやって来る。本展は200周年に向けたキックオフ宣言」ということになる。(記事全文はこちら

歴代の口紅が醸す世界は
重厚で長大な化粧品絵巻

 本展が歴史を綴っている「キスミー」は、6代目の伊勢屋半右衛門である澤田亀之助氏が一代で築き上げたブランドとされており、同社は改廃が激しい化粧品銘柄にありながら70年を超える展開の歴史に「日本で最も古いブランドなのではないか」(総務本部)と自負している。

 また、ブランド「キスミー」が誕生する前段階で同社は「紅」が国産リップスティックへ移行していく過渡期に「艶蝶(つやちょう)棒紅」を発売し、大正から昭和初期の主力ブランドへ育成して新ブランドが根付きやすい土壌づくりを果たしたという。

 戦争の打撃から復活して1945年に製造再開にこぎつけたのを足掛かりに、1947年になると「キスミー 特殊口紅」(全8色、5~100円)を発売したところヒット商品となり、食料不足の時代に「唇に栄養を与える」とうたった訴求キーワードが生活者の心を捉えて販売数量を伸ばしたという。

 また、同商品は先端部分のオレンジ色が唇に塗布すると変色することから、「ツートン口紅」または「変色口紅」といった俗称で親しまれた。(以下、922文字)

祖業の脇を固める製品群も
競合品に埋もれない存在感

 1825年に紅屋として誕生した伊勢半は、戦後の復興を経て口紅の製造・販売を軌道に乗せて以降、挑戦意欲を秘めて多品種化へ舵を切っていくことになる。

 1949年に発売した「キスミー特殊香水」は初めて手掛けた香水といい、現在も社歴の中で「当社を代表する商品」(同)に位置づけられている。

 現在のような入浴習慣がなかった当時は香水の役割が「装う」よりも「臭い消し」の比重が高く、市場の需要を捉えた同商品は好調な売れ行きを示した。(以下、676文字)

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