週刊粧業が実施した業態別アンケート調査でも明らかになったように、ドラッグストアやGMSなど他業態が化粧品の取扱いを強化する中、化粧品専門店は「カウンセリング」「美容サービス」といった対面接客をより強く打ち出していく姿勢だ。しかしそうした活動はすぐには結果(数字)へ反映されず、将来に不安を残している店も少なくない。
そこで、今特集では近畿化粧品小売組合連合会(近粧連)メンバーの若手経営者5名に集まってもらい、「化粧品店が抱える課題と将来展望」をテーマに熱く語ってもらった。
大阪府粧業協同組合を会場にした座談会では、山本晃司氏(天満アサヒ)、高橋一敏氏(化粧品タカハシ)、松本善弘氏(おしゃれ巧房マツモト)、竹村ゆきえ氏(おしゃれの店タケムラ)、北野拓氏(かどや化粧品店)の協力を仰いだ。
5名は、近粧連・青年部として発足する「JCF(ジャパン・コスメティック・フューチャー)」(2015年発足)のメンバーでもあり、業界の発展を目的に、勉強会や情報交換を定期的に行っている。(記事全文はこちら)
「新規獲得」で問われる進路選択
まずは自店の強みをブラッシュアップ
――専門店業態が抱える課題として一つだけ挙げるとすれば何でしょうか。
高橋 専門店にとっては「新規顧客の獲得」が大きなテーマとして挙げられる。上顧客との絆づくりに向けた活動は得意とする一方、新規で獲得した顧客との関係づくりにおいてつながりきれていない部分があると感じている。
松本 多少のバラつきはあると思うが、売上げの6~8割を既存会員が占めている店がほとんど。その会員層が50代以上であることを踏まえれば当然、「新規獲得」が専門店の今後の命運を握ることになるだろう。
北野 当店(かどや化粧品店)では、既存会員の高齢化による自然減に加え、地域住民の人口減少という問題を抱えている。地域自体が衰退してきているので、従来通りの活動ではどんどん厳しくなってくる。
私自身は、化粧品店以外に「和歌山有田 金八みかん」の販売業も行っており、宅配も行っている。有機野菜を中心とした食材宅配事業を展開して顧客との関係づくりに成功している同業のオイシックスの取り組みは、専門店業態にも活かせるサービスではないかと感じている。
山本 当店(天満アサヒ)は逆に、人で賑わう天神橋商店街にあるが、通行客の中で当店を知らない人はまだ多い。来店を待つのではなく、顧客との出会いを求めて店外活動を強化していく必要があると感じ、近年は「キリョウ」のサンプルと製品特徴を記載したチラシの配布を徹底して行っている。
活動を続けていくうちに「キリョウをください」といった目的来店の顧客が増えてきた。広告宣伝をしないブランドなので、キーワードとして出てくるということは活動の賜物であり、スタッフのモチベーションの向上につながっている。
竹村 当店(おしゃれの店タケムラ)は、奈良県南部の田原本駅から徒歩1分の立地にあるが、ポスティングの重要性も感じている。
会員属性を調べてみると、駅の北側と南側で顧客に偏りが見られ、ポスティングしても北と南で反応が異なってくる。地域別にチラシの内容を変えるなどの工夫をしながら新規獲得に取り組んでいる。決め手にはなっていないが、開拓できる余地はまだあると感じている。
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この記事は週刊粧業 掲載
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