化粧品製造機器、導入コストかかるも高効率化は収益性向上に直結

週刊粧業 2014年9月15日号 10ページ

カンタンに言うと

化粧品製造機器、導入コストかかるも高効率化は収益性向上に直結

 年々、機械の技術が高まり、乳化装置ひとつとっても多様な機能が備わっている。最新鋭の技術が加わった機械を導入し、高品質・高付加価値品の製造販売を戦略の1つとして掲げているメーカーもある。

 また、最新機械はコスト削減や高効率化、省エネに配慮しているものも増え、導入メリットを多く享受できる可能性は広がっているが、設備増強を行う際は製品を開発・製造する上で自社にはどの技術が今後必要になってくるのかを見極めて導入することが重要だ。

 しかしながら、化粧品工場では手作業の工程が多く、コストと時間が余計にかかるのも現状だ。従業員の「経験と勘」に頼らざるを得ない工程もあるという。こうした「職人の経験と勘による製造」は、生産現場では必要なことでもあるが、一方で、その工程を任されていた職人の不在時の対応も考えねばならない。このリスク回避のために、機械メーカーは、ライン導入による全自動化を推奨している。

 最近では、工場の新設によって、既存機を入れ替えたり新調したりする動きも見られるが、一方でまだ業界全体の認識として不十分なのが、自動洗浄の有益性だ。医薬品や食品業界ではすでに一般認知されている自動洗浄は、化粧品業界においては「まだこれから」といったところだろう。

 口紅やマスカラなど粘度の高い製品を乳化した後のタンクの汚れは手作業による洗浄でしか落ちないと誤解している企業も多く、手作業による洗浄の実施を工場の価値としてアピールしている企業もある。

 しかし、医薬品や食品など、厳格な工場規格が設けられている業界においては、自動洗浄は当然のことであり、工場の安全基準の遵守には欠かせない工程という認識が共通して存在している。

 化粧品業界ではまだGMP基準は適用されておらず、各企業の自主的取り組みに任されている現状も、少なからず自動洗浄に対する関心を薄れさせる要因と考えることができる。

 「高品質」とは完成した製品の機能性の高さのみを指すのではない。製造工程における工場の設備、機構、衛生管理などあらゆる点で品質を高めてこそ「高品質」と称すことができる。

 設備増強はコストがかかると思われることも、長いスパンで考えると高効率化と安全性の確保が達成でき、結果的に収益につながることも多い。

【記事掲載企業】
◎エヌ・ピー・ラボ~真空乳化機などの導入例が増加、工場全体をトータルコーディネート
◎ガデリウス・インダストリー~ノルデンのチューブ充填機が人気、自動洗浄も提案強化を続ける
◎森永乳業~殺菌力高い「ピュアスター水」、工場やオフィスの衛生管理に提案
◎三光機械~化粧品小袋包装用機のトップメーカー、「MR」「FR」の2シリーズが好調
◎トリニティーラボ~触角科学に基づく測定機開発、使用感の数値化でニーズを追究
◎三信精機~メークアップ製品に特化した製造機を開発、付加価値生む開発力で化粧品づくり支援
◎田島化学機械~「リユース」旗頭に68年間、機械の再生・流通に貢献

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