メイク化粧品OEM、独自技術で差別化、香りOEMは様々な分野に拡大

C&T 2014年9月15日号 66ページ

メイク化粧品OEM、独自技術で差別化、香りOEMは様々な分野に拡大

 BBクリームなど時短や簡便性を売りにしたオールインワンタイプの商材が注目されている一方で、顔を華やかに彩るメーク製品でも新しいアイデアがどんどん市場に生まれている。

 一方、「香り」は近年、香水に加え、ヘアケアやボディケア、ハンドケアなど様々なジャンルでニーズが高まっている。

 両テーマに沿って、化粧品OEM各社の動向をまとめた。

ファンデーションやマスカラなど
独自技術が売上げ拡大に貢献

 各社の動向を見てみると、ビアントが主力のメークアップで好調な受注を続けている。

 特にリキッドファンデーションなどの乳化物のほか、チークやアイシャドーを筆頭に色物の動きが目立つという。

 好調な受注を支えるものの1つに、粉体原料の加工技術があるようだ。粉体原料の加工設備を抱えるOEM企業は少なく、これにより機能性を増すことができるという。

 同社はこうした技術的要素をベースに、今期は営業体制も強化するなど活発な動きを見せている。

 スキンケア商材を主力としながらも、従来から粉物やマスカラの製造技術を売りの1つにしてきた美光化学研究所は、特にマスカラに関しては「どんな内容でも全般的にやる」と守備範囲の広さをアピールしている。

 もともとマスカラの製造会社として創業した経緯があるからで、長い年月をかけてノウハウを蓄積してきたというのだ。

 ペン型リキッドアイライナーの開発を得意とするのは、ケミコスクリエイションズだ。近年はマスカラとともに好調で、売上拡大に貢献しているという。

 ペン型リキッドアイライナーでは特に、色素沈着を抑える顔料のカーボンブラックを使用した安全性の高い処方や容器、筆先の品質などが好評のようだ。

ニーズの高まりを受け
「香り」は用途が多彩に

 一方、メークと並んで本特集のテーマに設定した「香り」の分野では、香水や香り付き化粧品のOEM事業を展開しているルズが、独自の香りづくりに力を入れている。

 約1000種類に達するという香りのラインナップの中から、顧客の要望に近いものを選んで提案している。

 製造品目も練り香水やアロマオイルなどに加え、香りのニーズが高まっているヘアケアやボディケア商材なども幅広く手掛けている。

 さらに、今年に入ってからは香りを効果的に広げる機器「エアフレ」のレンタルを開始しているという。顧客にアピールできる販促品の一環と位置づけ、「香りのブランディングをトータルでプロデュースするお手伝いをしたい」(同社)としている。

 「香り専門」を看板に掲げるフォルトーナは、最新動向として「キャラクター香水」やアパレルブランドのPB(プライベートブランド)の開発に力を入れているという。

 「キャラクター香水」は、アニメやゲームのキャラクターをモチーフにしたもので、「新たな価値提案アイテムとして需要が広がっている」という。

 一方、アパレルブランドは香りをファッションの一部と位置づけるケースが多く、PBの展開が目立つ傾向にあるようだ。

 さらにその場合、香水を軸にハンドケアやボディケア商材などへとラインナップを拡充する戦略も重視され始めたとしている。

【記事掲載企業】
◎ルズ、自社工場で香水OEMを少ロット製造~エバリュエーターが望みの香りを具現化
◎美光化学研究所、マスカラや粉物などを得意領域に~ペット商材など新分野の開拓に意欲
◎ビアント、「色」「カバー力」「透明感」などの数値化に注力~今期は営業・技術の向上で提案力の強化へ
◎フォルトーナ、「香水」を軸にしたシリーズを小ロットから受注~人気ブランド・キャラクターの世界感を香りで表現
◎ケミコスクリエイションズ、色素沈着しないリキッドアイライナーに強み~容器会社を傘下に置き自社一貫生産が可能に

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