化粧品や医薬部外品、健康食品原料を開発するホルスのグループ会社である日本天然物研究所(東京都中野区、三井幸雄社長)は、化粧品・医薬部外品用途の「ホルス 発酵熟成プラセンタエキス」と「同 プロテオグリカン」を中心に、原料やOEM製品の展示のほかに両原料に関するセミナーも行うなどして積極的にアピールする。展示ブースではこのほかにも、唯一の国産である「EGF・FGF」や関節痛対策などに有効な新原料「SAMe(サミー)」(S-アデノシルメチオニン含有酵母)などの注力原料も多数ラインナップする計画だ。
世界初「発酵熟成プラセンタ」で差別化
化粧品、健食で採用が拡大中
同社にとってプラセンタキスは創業以来の看板原料の1つで、従来から国産の最高級SPF豚由来のプラセンタエキスを販売し、豊富な実績をもつことで知られる。
「発酵熟成プラセンタエキス」はそれを酵母菌と黒砂糖で1カ月間じっくり発酵させた後、さらに2カ月間熟成。これにより、「SA(スーパーアクティブ)アミノ酸」などの有用成分を大幅に増加させることに成功した。
これまでのプラセンタエキスに比べてテクスチャーなどが向上し、美白や保湿、アンチエイジング効果が格段に高まった。
美白と保湿作用については、有効性試験で裏付けをとっている。
「発酵熟成プラセンタエキス」のチロシナーゼ阻害活性率を測定したところ、従来のプラセンタエキスの阻害活性率が72%だったのに対し、発酵プラセンタは83%と11%上昇したことが確認された。
保湿効果についても、肌水分量を測る調査で、肌の平均水分量が従来のプラセンタエキスと比較して約40%増加したことが明らかになっている。
この「発酵熟成プラセンタエキス」は、中華の高級素材「ツバメの巣」の主成分である「シアル酸」や、細胞増殖効果で知られる「EGF・FGF」様成分も含有していることから、アンチエイジングとしての効果も期待される。
さらに、安全性についても厳格な試験をクリアしている。
OECD(経済協力開発機構)が定める安全性基準「GLP」の認証機関で、急性経口などの毒性や変異原性を調べる数々の安全性試験を実施済みだ。
国内外の学会での発表も積極的に行っており、機能性に関する試験にも引き続き力を入れていく考えだ。
昨夏に案内を開始して以降、認知が広がり採用事例を着々と積み上げている。原料そのものの販売に加え、OEM製品への採用などが順調に進んでいるという。
化粧品ではクリームやマスクなど比較的価格の高い商材を中心に採用が増えているほか、健康食品としてもソフトカプセルを筆頭に販売が伸びているようだ。
また、最近では「発酵熟成プラセンタ」の商標登録も完了させた。
プラセンタキスを巡っては、昨今のブームで様々なタイプのものが販売されているが、この「発酵熟成プラセンタエキス」はこれまでにない高い効果を発揮する原料として他のプラセンタエキスと差別化できる。
同社は、従来から展開している「SPF豚由来プラセンタエキス」のほかに、馬由来のプラセンタの供給も開始しており、顧客のニーズに合わせて様々なプラセンタエキスを提案できる強みもある。
新原料「プロテオグリカン」
純度の高さと価格で優位性
一方、鮭の鼻軟骨から抽出した注目の美容成分「プロテオグリカン」の販売にも今夏から乗り出しており、展示会を機に今後拡販していく方針だ。
「プロテオグリカン」は、代表的な保湿成分であるヒアルロン酸よりも高い保水力をもち、またEGF様作用をもつことで知られている。そうした特徴から、昨今の美容・健康分野で注目度が高まっている原料の1つだ。
北海道産の鮭を漁獲当日に生のまま抽出した同社の「プロテオグリカン」は、分子量にポイントがある。
他のプロテオグリカンは分解され、分子量のピークが複数に分かれてしまうケースがあるが、同社製「プロテオグリカン」は分解されずに単一のピークを示すため、純度の高い原料になっているのだ。具体的には美白や保湿、肌弾力の向上などが期待できる。
また、価格の面でも優位性を発揮できるとしている。
7月に販売を開始したが、まだ数カ月というスタート段階でも問い合わせが増えているといい、今後にかけて営業をさらに強化していく考えだ。
これらの原料については、初日の10月20日(月)13時40分から「新素材『発酵熟成プラセンタ』と『プロテオグリカン』の作用と有用性」と題したセミナーで詳細な説明を行う。
展示ブースでは2つの新原料のほかにも、「EGF・FGF」などの注力原料を幅広くラインナップする。
「EGF・FGF」は、純度の高い唯一の国産原料であることが大きな特徴の1つだ。さらに、国内で初めて大量生産することに成功した「SAMe」、さらには天然由来の保湿成分「サイタイエキス」(化粧品・医薬部外品用途=ヒアルロンエキス)なども展示し、販売に力を入れていく。
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この記事は週刊粧業 掲載
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