ディセンシア・小林琢磨社長、指名買いされるブランド価値を追求

C&T 2015年3月16日号 66ページ

カンタンに言うと

ディセンシア・小林琢磨社長、指名買いされるブランド価値を追求
 ポーラ・オルビスホールディングスのディセンシア(本社=東京都品川区)は、同グループのポーラ化成工業がアトピー・敏感肌の研究から特許技術を開発し、2007年に会社設立とともに、敏感肌専門ブランド「ディセンシア」を立ち上げた。

 2010年からは、「敏感肌はもっと美しくなれる」というブランドステートメントを打ち出し、新たなブランド戦略を推進している。その先頭に立ち、敏感肌に悩む女性が前向きに化粧品を使える環境づくりに力を注ぐ小林琢磨社長に話を聞いた。

「敏感肌コスメ」に欠ける「ワクワク感」と
「美容効果」にも真摯に向き合うブランドへ

 ――2010年の就任後、新たにブランドステートメントを打ち出しましたが、その真意は?

 小林 敏感肌・アトピー肌は基本的に、セラミド量が足りていないことが原因とされ、訴求するベネフィットでの差別化が難しいカテゴリーとされている。そのため、市場に展開されている敏感肌コスメの多くは、セラミドの産生を促進し、セラミド量を増やすコンセプトのものがほとんどだった。

 それに対してディセンシアは、ポーラ化成工業の研究が生んだ特許技術(ヴァイタサイクルヴェール)により、セラミドをナノ化・カプセル化させることに成功し(ヒト型ナノセラミド)、物理的に角層へセラミドを浸透・保湿させつつ、肌表面にバリア膜を形成し、外部刺激から肌を守るという働きを持つ敏感肌コスメを完成させた。

 これまでにないアプローチで敏感肌をケアでき、他の敏感肌ブランドとの差別化がしっかり図れるという自信から、設立当初はその秀でた技術面をしっかり伝えていく戦略を打ち出してきた。実際に就任後、社員に展開ブランドのベネフィットについてヒアリングすると、商品のスペックに対する優位性がたくさん上がった。しかし、上がってきたベネフィットは、消費者が最終的に化粧品を選ぶポイントにはなりにくいものだった。

 そこで、「敏感肌専門ブランド」としてのマーケティング戦略を明確にし、社員一人ひとりが同じ意識を持ってブランドの育成に取り組める体制を改めて整える必要があった。

 ブランドステートメントには、「敏感肌女性に、自分が敏感肌であることを忘れ去って頂きたい」という最終目標とも言える想いも込めている。その実現に向けては、「敏感肌に悩む女性を特別扱いするのをやめよう」という強固な姿勢を社員一人ひとりが持つ必要があった。

 一般的な化粧品を使える女性に対し、敏感肌に悩む女性は、普段使用している化粧品を言いにくそうに、「敏感肌なので」という枕詞をつけて答える傾向が見られる。敏感肌コスメが薬のような感覚で使われていることに強い違和感を覚えた。

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