ちふれ化粧品、広告宣伝やIT化で成果、2017年3月期は大掛かりな改革を断行へ

週刊粧業 2015年4月20日号 7ページ

カンタンに言うと

ちふれ化粧品、広告宣伝やIT化で成果、2017年3月期は大掛かりな改革を断行へ
 歴史や伝統を重んじ「変わらない」ことをむしろ強みにしてきたちふれ化粧品だが、近年はそうした哲学を踏襲する一方で「変わる」姿勢も随所に打ち出している。その1つが、創業以来初となるTVCMの放映に舵を切ったことにあり、売上拡大の契機となった。

 これに関連し、数年前には広報体制を整備したことで企業姿勢などへの理解度も深まっているほか、店頭や営業の現場では情報管理のIT化に乗り出している。来期(2017年3月期)から始まる新たな中期経営計画では、大胆な制度改革を断行する計画だ。加世田信行常務に、近年の取り組みと今後の課題などを聞いた。

創業以来初のCMに舵切り
10年で売上高2倍に

 ――「企業変革」といえそうな事例で近年、目立った成果につながった施策にはどんなものがありますか。

 加世田 ここ数年で広報部門を設置し、情報発信を強化してきました。これにより、各方面で「ちふれ化粧品」の取り上げられる回数が増え、反響が広く伝播しています。

 少し前になりますが、「情報発信」という点では、2003年にTVCMの放映に踏み切ったことも大きかったです。

 創業以来、ずっと右肩上がりで成長し続けてきましたが、当時はその伸びが鈍化していました。
いい商品だから、もっと多くの人に知ってもらおう――。そうした思いで広告宣伝に舵を切りました。

 ただ、社内では大変な議論がありました。創業以来、広告宣伝は行わないことをポリシーにしてきたからです。

 毎週のように経営会議を重ねましたが、創業以来の大展開に反対の声が少なくなく、しかも歴史的に「変わらない」ことを重視する哲学が根強い分、余計に「変わる」ことへの抵抗感が強かったのも実情です。

 ただ、中には賛成してくれる経営幹部もおり、時間をかけて議論を重ね、ようやく実現した経緯があります。

 実際に放映すると、大きな反響がありました。それ以降は売上伸長率が年率5%超に高まり、その後の10年間ほどで売上げは約2倍に膨れ上がりました。

 こうした成功体験は、社員の意識改革にもつながっています。下の世代は成功体験が希薄で、安定志向が強かったのですが、会社の成長を目の当たりにし、「今まではこうだった」から「新しいことにチャレンジしよう」という姿勢への変化を随所で感じます。

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