花王とライオンの変革手法を分析、企業変革への第一歩は社員の意識改革から

週刊粧業 2015年4月20日号 1ページ

カンタンに言うと

花王とライオンの変革手法を分析、企業変革への第一歩は社員の意識改革から
 国際競争力が問われてきている昨今、市場環境や生活者ニーズ・ウォンツの変化をいかに素早く、的確に掴み、対応できるかが成長の鍵となっており、大手・中堅企業を中心に事業・組織の見直しを図る動きが活発化している。

 化粧品トイレタリー業界も同様に、大がかりな「企業変革」に踏み切り、過去の成功体験や先例、慣習に縛られ硬直化している組織を改善していこうという機運が高まっている。こうした中、「企業変革」にいち早く着手した企業では、その成果が業績にも反映され、さらなる成長・発展に向けて明るい兆しも見え始めている。

 そこで今特集では、業績低迷に苦しむ企業の処方箋となるべく、確固たるビジョンのもと「企業変革」に取り組む各社のキーマンにスポットを当てインタビューを試みた。

花王、社員の意識改革、資産の活用経て
「脱デフレ型成長モデル」を構築

 化粧品トイレタリー業界最大手の花王では、2012年6月の澤田道隆社長の就任以来、「企業変革」に取り組んできた。

 中期経営計画(K15)の初年度である2013年度には、澤田社長が先頭に立って社員が「やるリスク」を取れるよう方向性を示し、「判断に迷ったら、やった方がいい」ことを明確に打ち出した。こうして企業変革に向けた第一歩を着実に踏み出したことで、埋もれていた「宝の山(活用できる技術)」を掘り起こすことに成功した。

 そして2014年度には、「グループ資産の最大活用」に向けた体制作りが構築できたと判断し、「グループ資産の最大化」に着手した。最大活用の術を会得した後に、最大化が図れる体制を構築できれば、「トップラインを上げれば上げるほど、利益がそのままオンされる」ことを見越しての判断だった。

 「グループ資産の最大化」への挑戦が順調に進み、しっかりとしたモデルができあがったことから、2015年度は積極的な事業展開を進めるべく、費用をうまく使って売上・利益を増やし、得た利益をさらに高付加価値化に投資し、成長し続けることを「脱デフレ型成長モデル」と命名。K15の達成に向け現在、このモデルをもとに取り組みを進める。「脱デフレ型成長モデル」は単に自社の成長戦略を示すのみならず、化粧品トイレタリー企業が今後取るべき道を端的に示したという意味で画期的であった。

 その花王では、「メーカー機能・販売機能が1つのグループにある強み」「総合トイレタリー企業である強み」を最大限に発揮すべく、様々な取り組みを進めている。

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