化粧品・医薬部外品ODM/OEMの国内最大手である日本コルマーは、商品の企画・設計から、処方開発、原料資材の調達、さらには有用性評価、薬事法をはじめとする関連諸規制の手続きなど化粧品の製造販売に関わる領域を1社で対応可能な「ワンストップトータルサービス」を国内外で実現する。
迎えるCITE Japan2015(2015年6月3日(水)~5日(金)パシフィコ横浜)では、様々な化粧品カテゴリーから開発した全26品目をラインナップするとともに、近年ニーズが高まっている評価試験の体験コーナーを設け、エビデンスに基づく研究開発力をアピールする。
「4研究所」体制で研究員120名
プロダクトイノベーションに挑む
中国に生産工場(蘇州コルマー)を持ち、グローバルODM/OEMとして歩みを進める同社は、国内においては、リスクヘッジの観点から、大阪府・島根県、静岡県の3拠点に4つの生産工場と3つの研究所を構え、化粧品のあらゆる品目が生産可能な体制を整えている。今年4月には「プロダクトイノベーション」を掲げ、新たに東京工業大学内に4つ目の「横浜研究所」を設立し、産学連携による研究開発をスタートさせた。
神崎友次会長は、ODMが訴求すべき「品質・価格・納期」の3要素の重要性を説きつつ、「加えて『サービス』も等価値に置いて取り組んでいる」といい、11年連続で増収を達成している要因として挙げた。
「当社では『サービスとは、顧客が困っている点やその原因をできるだけ早く解決すること』と定義づけし、ソリューション型のサービス向上を図っている。今後も顧客負担をいかに減らすことができるかを徹底して追求していく」(神崎会長)
新設した横浜研究所については、「今までにない新機軸の製品を開発するためのコアな施設に位置づける」とした上で、昨年稼働を開始した静岡工場とともに、東日本エリアのサポート機能を今まで以上に高め、新規顧客の開拓につなげていくことも目的の一つであると説明した。
新機軸の製品開発について、神崎会長は「これまでの研究開発は、改良・改善型の『プロセスイノベーション』を主体としたものだったが、さらなる企業成長には、新たな価値創造を実現する『プロダクトイノベーション』を目指す研究を、もう一つの柱として取り組んでいく必要があった」と説明した。以前から大学との連携に取り組んできた同社だが、大学内に研究所を構え、研究のスタートから密に取り組むのは初となる。
また、関東圏内に研究所を置くことで、今後は関東系の大卒・院卒者の採用にも力を注いでいく考えだ。現在、同社には120名の研究員が在籍しているが、研究所が西日本に集中しているという地理的な理由から、関西系大学の出身者が多い。大学が集中する関東圏からも優れた研究者を発掘していく考えで、研究所の拡張も視野に入れていくという。大学との共同研究および、東西の研究員によるシナジーにより、化粧品OEM業界を今後もリードしていく。
新技術用いた製品など26品目
展示、成長企業の支援策も
近年は、従来の「OEM」とは一線を画す事業スタイルを表す用語として「ODM」を用いる企業が増え、業界用語として定着しつつあるが、そのスタイルをいち早く取り入れ、提唱してきたのも同社だ。
研究開発本部マーケティング部の木村めぐみ氏は「『ODM』の定義は企業によって様々だが、顧客の要望をクリアした上で、さらに期待を上回るものを提供していくことがODMのあるべき姿だと捉えている。そのため、顧客のイメージを保ちつつ、使って効果・効能がしっかりと感じられるように、評価試験と製品機能をリンクさせ、エビデンス効果を明示した高機能製品の提供を推進している」と語り、研究開発・技術力とともに、同社独自のサービス領域を展示ブースで紹介していく。
続けて、木村氏は過剰な広告に対して審査が厳しくなってきていることに触れ、「イメージやストーリー性を重視するだけでは競争に勝てない市場環境になっている。実際に使ってみて、その商品が打ち出す機能性をしっかりと実感できる化粧品が今後ますます求められてくるはずだ」と述べ、ブースでは、機能的なエビデンスデータを付与したスキンケアからメークアップ、ヘアケアまで全26品目を紹介していく。
スキンケアでは、医薬の製剤開発で使用される高圧乳化機を用いて開発した製品や、抗シワ効能評価試験済みで、そのまま最終製品化が可能な製品も用意した。
また、スキンケアから新規参入し、一定の顧客を獲得している企業向けに、事業拡大につながる提案として「スキンケア効果を付与したメーク製品などバリエーションを増やせる製品を紹介していく」といい、メーク製品も数多く展示する。トレンドの口もとメークでは、発色やツヤ感、うるおい感など仕上がりや質感の異なる製品が揃う。
さらに、ブースの一角では、「機能性評価試験」の実演コーナーを設けるほか、顧客の手持ち素材から美容効果を見出すなど共同で新規原料を開発し、化粧品に応用するサポート体制が整っていることもアピールしていく。
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この記事は週刊粧業 2015年5月27日号 掲載
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