クレディ・スイス証券・森将司氏、迎えた「インバウンド元年」アウトバウンドへの広がりも

週刊粧業 2015年6月29日号 8ページ

カンタンに言うと

クレディ・スイス証券・森将司氏、迎えた「インバウンド元年」アウトバウンドへの広がりも
 今年は大手を中心に恩恵を受けているインバウンド消費がさらに本格化し、アジアを中心とした輸出ビジネス、つまりはアウトバウンドに活かそうという意識が業界全体で高まる。インバウンドの延長線にあるアウトバウンドまで踏まえたマーケティングが進展するという意味において、今年、「インバウンド元年」を迎えた。

 今後は、店頭でのインバウンド対応に加え、中華圏を中心とした旅行者に対して買い物リストを作成する旅行代理店などへの売り込みや、著名なブロガーなど情報発信力がある人へのアプローチも必要になってきている。

 インバウンドの課題を挙げるとすれば、空港や都市部以外の地方への広がりだが、徐々にその流れも見られはじめている。東京五輪まではインバウンド需要への対応は重要なポイントになってくるだろう。

 また、インバウンド消費を見据え、国内工場の増設など生産拡大に向けた投資も一部の企業がすでに取り組んでいる。雇用の拡大・促進など国内の経済活性化にもつながるため、国内生産力を高める企業が増えてくることを期待したい。

 そのインバウンド消費のキーワードは「健康」と「美容」だ。人気のカテゴリーは、ベビーケア、スキンケアなどで、このほど中国が衣料品や靴とともに、紙おむつやスキンケアの関税を下げたことは、アウトバウンドの弾みになる。特にベビーケアは、子どものためにベストな環境を構築しようという意識が強い中国では有望な市場だ。

 例えば、ピジョンは、中国の高機能哺乳瓶市場で8割近いシェアがあり、インバウンド需要も取り込んでいる。また、粉ミルクは欧米企業の強さが光るものの、紙おむつは、日本製品の人気が圧倒的に高い。花王に続き、大王製紙も増産を開始するなど、「日本製」の輸出を強化する動きが活発になっている。

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