ポーラ、肌新生の鍵握る糖たんぱく質「バーシカン」産むエキスの開発に成功

週刊粧業 2015年8月3日号 12ページ

カンタンに言うと

ポーラ、肌新生の鍵握る糖たんぱく質「バーシカン」産むエキスの開発に成功

 ポーラ化成工業は、「衰えた肌を修復する」という従来のエイジングケアではなく、「新しい肌を生み出す」という全く新しい概念のエイジングケア技術を開発した。

 これまでのエイジングケアでは、肌の弾力を生み出す重要な部位である真皮の部分的な補修がメインで、進行した「たるみ」などの老化悩みに十分に応えることは困難だった。そこで今回は、胎児期に真皮がつくられる際に重要な働きを担うと考えられている「バーシカン」という糖たんぱく質に着目した。 
 「バーシカン」は初めて肌が作られる胎児期に大量に生み出され、肌の土台を作る物質で、胎児期の真皮づくりでは、まず線維芽細胞がこの物質を生み出すことで足場を整え、広く移動しながら弾力の源であるコラーゲンやエラスチンなどの線維を張り巡らすと考えられている。

 しかし、「バーシカン」は加齢とともに減少してしまうため、同社では大人の肌でもう一度バーシカンを増やすことができれば、胎児期のような真皮の形成を再現することができるのではないかと考えた。

 線維芽細胞からの「バーシカン」の産生を高める化粧品素材の探索を行い、世界主要国家での蚕繭生産量の0.0001%という特に希少な品種である黄金の繭からオリジナル製法で抽出したエキス「ゴールデン LP」の開発に成功した。

 「ゴールデン LP」にて「バーシカン」の産生が高まると、線維芽細胞からのコラーゲン・エラスチンの産生量が増加することが確認された。

 生成されたコラーゲン線維を観察したところ、太くてしっかりした束となっていることや、弾力性や水分保持力が向上することが確認された。

 これらより、「バーシカン」をターゲットとした新たなアプローチにより、衰えた真皮を再び誕生させるかのように再生し、「たるみ」などの進行した老化悩みまでも改善できることが期待されるという。

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