メルシス・八重樫社長、現場主義・顧客主義を徹底した経営改革とは

C&T 2015年9月15日号 86ページ

カンタンに言うと

メルシス・八重樫社長、現場主義・顧客主義を徹底した経営改革とは
 「ローラ メルシエ」は1996年にアメリカ・ニューヨークで誕生した、本国ではトップクラスの人気を誇るブランドだ。

 2005年にアジア市場への足掛かりとして日本に進出後、コアなファンを増やしてきたが、一方でなかなか知名度が上がらないなどの苦戦も強いられてきた。

 2011年に新日本製薬の傘下に入り、販売会社としてメルシスが設立され、今年4月には新たな経営体制が発表された。

 新たにトップに就任した八重樫宏志氏に「ローラ メルシエ」の戦略について話を伺った。

それぞれの「距離」の縮小に着手し
就任から3カ月間は2ケタ増で推移

 ――就任から4カ月が経ちましたが、直近の経営状況について教えてください。

 八重樫 2015年4~6月の売上げは、いずれも前年比約20%増で順調に推移している。

 新日本製薬の傘下に入ってからは、本国との意思疎通もさらに円滑になり、広告出稿も増え、メディア露出を高めることにより、フェースパウダーの「ルースセッティングパウダー」がブランドの代表商品として順調に成長した。

 実はこの頃、本国の商品展開数に国内も追いつこうとしている時期だったが、それもコミュニケーションの強化により改善の兆しが見えてきた。

 しかし、今後ブランドが成長するにはまだ基盤固めが必要だったため、私の着任前から準備を進め、まずは「距離を縮めること」に取りかかった。ブランドとお客様、日本と本国アメリカの距離を縮め、「ローラ メルシエ」がどんなブランドで、日本でどうやって展開していくのかを明確に示していく必要があった。

 日本でのブランドの立ち位置を明確にするため、ニューヨーク本社から幹部が来日し、新しい経営方針について丸2日にわたってディスカッションを行い、意見交換をした。

 6月には私がニューヨークへ渡り、本社のトップマネジメントやプロダクト、マーケティング、製造等各部門の責任者らと話し合い、今後のブランド戦略について説明を受け、さらに当社の日本における経営方針に関しても合意に至った。そして、アジア圏の中で日本が優先的にサポートを受けられるという合意も得ることができた。

 それに加え、経営側と店舗側の距離をもっと縮める必要があった。そこで、直営店がある東京、横浜、名古屋、大阪、福岡の百貨店に直接足を運び、チーフ会議などを重ねながら現場の実情の把握に努めた。

 それは現在も続いているが、ブランドの価値や本当に伝えたいことを理解してもらうには有効で、皆で同じ目標を持って活動をすることができるようになった。その成果が、4~6月の業績でもわかるように徐々に現れているといえる。

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