伊勢半 澤田晴子社長、「選択と集中」で商品の登場感・存在感を高める

週刊粧業 2016年1月1日号 42ページ

カンタンに言うと

伊勢半 澤田晴子社長、「選択と集中」で商品の登場感・存在感を高める
 昨年を振り返りますと、明るい話題では、国内のインバウンド需要が取り上げられると思います。政府は、2020年の五輪イヤーに、2000万人の訪日外国人観光客をめざしてきましたが、既に2015年に2000万人に近づき、2020年には、訪日外国人観光客目標を3000万人に引き上げると発表しました。

 中華圏を中心にアジア各国の経済成長・円安・格安交通機関の運行・ビザの緩和・親日などの要素が相まって観光客が非常に増え、中国人観光客による爆買いは有名な話ですが、各小売業やサービス業、メーカーなどを中心に日本経済がその恩恵に預かっています。

 中国の景気減速も気になる所ですが、外国人観光客にばかり目を奪われてしまうと、ずっとご愛用してくださっている国内の顧客からは見放されてしまうという危惧もある中で、どちらの視点も取り込んだマーケットインが今求められているように思います。

 少子高齢化やこうした外部環境の変動を踏まえた販売機会の創出や、きめ細かい顧客ニーズの拾い上げは、自社ビジネスの幅を広げ成長につなげるために、ますます重視されるものと思います。

 さて私どもの事業では、一昨年までは、開発・研究部門を中心に「マーケティング力の強化」、営業部門では「提案営業力の強化」、生産部門では「SCMの取り組み」を積極化してきましたので次のステップとして、「総力を挙げて 商品の『登場感』『存在感』を高める」ということを2015年度方針に掲げ努めてきました。

 その結果として、国内・海外事業ともにお陰様で業績は非常に順調です。しかし、気を緩めることなく、それぞれの部門が次に繋がるプロセスを大切に考えながら、さらなる努力をしていきたいと思います。

 今まで私どもでは、経営規模の割には多くのブランドを抱えながらリスクヘッジもして事業を伸ばす戦略をとってきましたが、ポートフォリオの整理を行うことで、昨年からは明解に注力ブランドを決定し、それらにより多くのリソースを投入することで、より強いブランドを創出する戦略に舵を切りなおしてきました。

 昨年は、多少なりともその成果が見え始めたので、さらなる「選択と集中」を加速させながら「総力を挙げて 商品の『登場感』『存在感』を高める」という年度方針に本年も立ち向かいたいと思います。

 単品の注力ブランドでは「ヒロインメイク」と「ヘビーローテーション」が挙げられます。どちらも、人気のリアルモデルを立て、SNSを駆使して、ブランド認知とトライアルユーザーの拡大をめざします。

 什器ブランドでは昨年、カセット什器の全面リニューアルとともに、新口紅や新ファンデーションを送り込んだ「キスミーフェルム」と今期、コンセプトやターゲットの大幅見直しとともに、商品や什器の使用感などプレゼンスを高めるための施策を打った「Kiss」が挙げられます。

 今までのお客様も見失うことなく、さらなる顧客拡大に努めていきたいと思います。

 注力ブランドへの集中投資ということとともに、私たち自身の精神構造も非常に重要で、その商品に掛ける意気込みや思い、そして行動をここに結集していきます。
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