人口減少下の日本におけるメーカーの成長戦略とは

粧業日報 2016年4月13日号 1ページ

カンタンに言うと

人口減少下の日本におけるメーカーの成長戦略とは
「第2の柱」の育成は
持続的成長に不可欠

 化粧品トイレタリー企業の多くは、人口が減少に転じ、物価上昇と消費税率引き上げの影響で実質賃金の伸びがマイナスとなる国内において、「商品の高付加価値化により単価アップを図る」「使用回数を上げることで総使用量を増やす」などの取り組みを進め、数量は前年並みでも金額で2~3%伸ばすことを基本方針としている。

 その方針は基本的には正しいと言えるが、「第2の柱」とも言うべき新事業・新領域への挑戦が同時並行でなされなければ、持続的な成長は困難といえる。そういう意味で、「第2の柱」の育成の成否が、競争の激しい化粧品トイレタリー業界で一歩抜きん出た存在になれるかどうかの分水嶺になることは間違いなさそうだ。

 そこで今回は、「第2の柱」というテーマで、化粧品トイレタリー業界の主要企業が進める新事業・新領域への挑戦にスポットを当て、その重要性について検証してみた。(本紙主幹 加藤英俊)

積極果敢なチャレンジで
盤石な経営体制を構築

 化粧品業界における最もポピュラーな「第2の柱」の成功事例は、ポーラ化粧品本舗(現ポーラ)による「通販事業(オルビス)の立ち上げ」(1984年)だろう。

 夫婦共働きが一般化し、有職女性が増えていく中、戸別訪問を主軸としていたポーラでは、訪販での販売が伸び悩み、新たな事業の柱を模索していた。

 そうした中、導き出した答えが、黎明期で今後の発展性が見込める通販への進出であり、この挑戦こそがポーラ・オルビスホールディングスの現在の好業績の基礎になっていった。

 また、ホールディングス制を導入して以降は、マルチブランド戦略に取り組み、「THREE」「decencia」の立ち上げや、「Jurlique」「H2O PLUS」の買収を断行。現在、9つのブランドを傘下に持ち、全売上の6割を収益性の高いスキンケア商品が占めている。

 この成功事例からは、「全く異なる概念でモノづくりをし、異なる流通ルートを活用する決断をしたこと」「『第2の柱』をつくり上げた経験をグループ内で水平展開し、既存事業の活性化につなげたこと」「将来のマルチブランド戦略やM&Aを見据え事前にホールディングス体制を敷いたこと」など、多くの学ぶべきポイントをみることができる。

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