資生堂は、11月より銀座から文化を発信するプロジェクト「BEAUTY CROSSING GINZA」の第4弾として、「商品の芸術化」をめざした同社の香水瓶展「Les Parfums Japonais(レ・パルファム・ジャポネ)―香りの意匠、100年の歩み―」を開催する。
なお、資生堂銀座ビル1~2Fの「Ginza Communication Space」においては他の拠点に先行して、9月26日より展示を開始している。
1910年代後半、初代社長の福原信三氏はパリの文化への憧れから、「香りを芸術まで高めたい」という想いで西欧の香水に勝るとも劣らない日本のオリジナリティあふれる香水づくりを目指した。信三氏は日本的美意識をベースに、細部にまでこだわった日本発の本物の美を生み出そうとし、情熱をそそいだのが香水瓶のデザインだった。この精神は、今日の同社の商品開発まで受け継がれている。
現在、同社は世界に通用する強いブランドを育成するため、「センター・オブ・エクセレンス(Center of Excellence)」構想の下、日本はスキンケア、アメリカではメークアップ、欧州はフレグランスなど各カテゴリーにとってグローバルに影響力を持つ最先端のエリアで情報収集・戦略立案・商品開発などをリードし、それらを全世界のマーケティング展開に生かしている。
フレグランスは特に欧米において重要なカテゴリーであるため、在仏子会社「ボーテ プレステージ インターナショナル(BPI)」を中心に香水市場に積極的にアプローチしてきた。近年では、2015年10月より「SHISEIDO」から欧州・中東地域47ヵ国で本格フレグランス「Ever Bloom」を発売、またBPIを通じてイタリアのラグジュアリーファッションブランドを展開する「DOLCE & GABBANA S.R.L.」と今年6月にライセンス契約を締結するなど、フレグランスカテゴリーを強化している。
なお、「Ever Bloom」は日本国内においては、2016年11月22日~28日まで、伊勢丹新宿店の年に1度の香りの祭典「イセタン サロン ド パルファン」で限定販売する。
香水瓶展では、同社の香水づくりのルーツであるフランスの香水瓶や、1917年に「香水花椿」を発売以降「商品の芸術化」を目指した同社のフレグランス事業の100年に及ぶ足跡を紹介する。
資生堂銀座ビルでは、戦前から現代までの同社の香水瓶を展示。資生堂ギャラリーでは、信三氏が憧れたフランスのガラス工芸作家、ルネ・ラリック氏がデザインした香水瓶やマツダのデザイン哲学「魂動(こどう)」を表現したフレグランスなどとともに、信三氏が自ら手がけた初期の香水瓶と「商品の芸術化」の精神を受け継ぐ現代の香水瓶を展示する。
また、資生堂銀座ビル、資生堂ギャラリーにおいては、インタラクティブ・アート/デザインのグループ「plaplax」とコラボレーションし、香水瓶のデザインの魅力を引き出す空間演出も行う。
さらに、資生堂パーラービルの1F展示スペースには、「現代詩花椿賞」の受賞者に贈られた特製香水入れ、SHISEIDO THE GINZAでは、「セルジュ・ルタンス」の香水瓶を展示する。