石井康智社長に聞く、Dear Lauraの採用基準

粧業日報 2016年10月21日号 3ページ

カンタンに言うと

石井康智社長に聞く、Dear Lauraの採用基準
大切なのは失敗を恐れないポジティブ思考、
難局でも勝ち抜ける攻めの姿勢を重視

 Dear Lauraでは昨春の大型設備投資に伴い、関係部署における人材拡充を進めてきた。リスクを厭わず、逆境を克服し続けてきた石井康智社長は、自ら実践してきた失敗を恐れない、ポジティブな発想を持った人材を求めている。

 その一方で、社員が安心して長く務められる社内環境にも力を注ぎ、ひいては社会に寄与できる企業として発展を続けていきたいとしている。

 ――近年、採用を強化している部署はどちらになりますか。

 石井 R&D、OEM営業部、国際部になる。昨年4月に物流センターと第2工場を稼働させるなど大規模な設備投資を行った。それまでの5年間、OEM事業は規模の小さいものだったが、工場拡張に伴い、本格的にOEM事業を行うと対外的に発信を開始し、OEMの営業を強化することになった。また、これまで自社ブランドを製造する化粧品メーカーだったが、他社のOEM、ODMに応えるには自ずと研究開発にも注力することにもなった。

 国際部については、人口減少が続く国内マーケットが縮小していくことを見据え、日本製品に対する愛着と憧憬のあるアジアに目を向けずにはいられないと判断した。私はもともと商社の出身であり、海外とのやりとりは本職である。そこでそのアジアのニーズに応えられる受け皿として3年前に国際部を新設し、グローバルな対応ができる人材を育成してきた。

 よって、採用時にはこれら3つの部署を中心に増員を考えている。

 ――求人募集はどのようにしていますか。

 石井 R&Dではある程度専門性が必要とされる。役員や幹部社員の中には異なる化学系専門学校の出身者がおり、それぞれの出身校に働きかけて人事担当者と友好な関係を築き、募集をかけている。この成果もあって今年で3年連続生徒を採用できた。

 それ以外の人員は一般募集になる。国際部の場合は英語のスキルとしてTOEIC800点以上を目安にしているが、英語力はあくまでもツールであり、それ以上に求めるのはグローバル社会でわたり合えるバランス感覚である。英会話ができても、それだけでは単に商品を右から左に売るだけ。先様との末長いお取引で良い関係を構築するには会社の姿勢と担当者の資質が重要になってくる。

 よって私は、むしろ人物本位であると考える。しかし、面接でそれを完全に見極めるのはなかなか難しいものだ。

 ――採用にあたり重視するのは何ですか。

 石井 サラリーマン故なのか、保守的な考えを持つ人が若い人に限らず中堅、幹部社員にも少なくない。先々への不安から慎重になってしまうようだ。中堅幹部を含めて消極的というか、NOから入る傾向が高い。私が求める人物像はポジティブで、「NO」を「YES」に転換できる人だ。

 これからは厳しい時代が続き、市場を取り巻く環境も変わっていくだろう。このような変化に順応し、勝ち抜いていく人材なら難局にもめげずにポジティブに対応できる。これからはそのような人材が重宝される。採用面接ではこの点を探るようにしている。

 OEMの営業は会社に引きこもっているのは論外で、だからと言ってルートセールスや御用聞き的な営業でもダメ。攻めの姿勢でクライアントを唸らせるような提案をもってどんどん前に出て行かなくてはならない。私がブレーキをかけなくてはいけないくらいの積極性が求められる。「虎穴に入らずんば虎児を得ず」ということわざのように、自ら新たなビジネスチャンスを創り出してものにするのが営業の醍醐味である。

 ――失敗を恐れてはいけないのですね。

 石井 私は前向きな失敗を責めたりはしない。積極性を求める以上、失敗した場合の責任は追及しないという寛容さも持ち合わせている。そうしなければ社員は萎縮してしまう。結果が裏目に出たとしても、私はトップとしてそれを共有する覚悟だ。サラリーマン的な保身の憂いを軽減できる体制づくりに努めたい。

 ――女性の採用も多いのでしょうか。

 石井 近年、女性社員の比率が上がっており、産休、育休への対応を進めている。今月も産休から復帰した社員がいるが、家庭優先でやるようにと指示した。そうでないと本人も不安に感じるだろうし、他の女性社員への影響もある。社員あっての会社であり、会社としても多少の犠牲を払ってでも長く務められる体制を整えていく。少子高齢化は致命的な問題であり、この問題解決に寄与し、下支えをするのは日本国民としての義務である。今後は介護離職問題にも対応していくことになる。

 ――未来の応募者を意識した取り組みは行っていますか。

 石井 応募者は事前にインターネットなどで当社の記事を目にすることがあるだろう。ネールや二重まぶた商材といったニッチなカテゴリーでブルーオーシャン的な戦略をとり、業界で異彩を放ち続けていくことが求職者へのアピールになると考えている。

 今の時代、破壊と創造をくり返さないと会社は生き残れない。クリエイティブなマインドは、ネガティブは発想からは生まれない。逆境をチャンスと捉え、飛躍につなげる――凪よりも荒波の方がビジネスチャンスは多いものである。
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