化粧品OEMのホシケミカルズでは沖縄ヤマト運輸と連携し、沖縄県那覇空港に隣接する「沖縄グローバルロジスティクスセンター」内に充填工場を構え、ヤマトグループの物流ネットワークを活用し、製造から物流、通販サイト運営、販促支援などをワンストップで行う「越境EC支援」サービスを2015年11月から展開している。
今回は、越境EC支援サービスの具体的な内容として、「商品企画・立案・製造」「サイト制作・越境決済」「運営支援」「販売促進」「物流」の5つを紹介する。
「商品企画・立案・製造」では、ホシケミカルズがこれまで中国や韓国、台湾、マレーシア、シンガポールといったアジア圏の海外企業からのOEM受注で長年にわたって蓄積してきた各国のトレンドやニーズに合わせた商品づくりのノウハウをもとに、クライアントの商品企画・立案と製造をサポートする。
「サイト制作・越境決済」では、海外で一から新たに自社ECサイトを制作する際、各国の商習慣を熟知する同社がサイトデザインをアドバイスでき、さらにヤマトグループが現地のECモールへの出店支援も行う。これらのECサイトはヤマトグループが独自に展開する多言語・多通貨決済サービスに標準対応している。
「運営支援」では、ECサイトの更新作業や商品登録の代行業務をはじめ、ヤマトグループのソリューションを活用して受発注管理から出荷作業、返品対応、多言語対応コールセンターに至るまで、サイト運営を包括的に支援する。
「販売促進」では、クライアントのECサイトに顧客を誘導するための施策として、中国最大のSNS「微博(Weibo)」を活用した中国でのプロモーションが可能だ。中国以外のアジアでは、SEO対策やリスティング広告などを軸にクライアントの予算に応じて最適な広告プランを提案する。
「物流」では、越境ECでの注文に応じてスムーズな個別包装での海外発送に対応し、煩雑な通関手続きを代行することでクライアントの業務効率化に貢献する。
「那覇空港では24時間の離着陸と通関が可能で、香港や台北、バンコクといったアジア都市には最短で翌日配送ができる。当社のサービスは、越境EC展開に興味があっても自社ではマンパワーが足りない企業がメインターゲットになる。物流やコールセンターなどは外注されるケースが多いため窓口が分散しがちだが、当社製造品については物流から通販管理代行などの越境ECにまつわる業務を、当社を入口として請け負うことができる。これは他のOEMにはない強みだ」(企画開発室広報 平地祥子氏)
今連載の最終回となる次回(2017年1月1日号)は、ホシケミカルズが2016年12月に開設を予定している越境EC支援サービスの新サイトについて紹介する。