アルビオン、「インフィオレ」の投入でさらなる飛躍を期す

週刊粧業 2016年11月28日号 6ページ

カンタンに言うと

アルビオン、「インフィオレ」の投入でさらなる飛躍を期す
 アルビオンは、米国サンフランシスコ発のオーガニックスキンケアブランド「インフィオレ」を展開するインフィオレ社と業務提携し、米国製4品に両社のノウハウを融合した日本製8品を加えた全12品を3月18日に発売。高級オーガニックスキンケア市場に参入した。

 9月18日には、百貨店3店(伊勢丹新宿店、阪急百貨店梅田本店、高島屋大阪店)と直営店「テラリウム表参道」に限られていた販路が化粧品専門店121店、コスメキッチン1店に広がった。

 インフィオレの導入を機にロードサイド店を活性化したいと語る中原洋子執行役員企画統括部統括部長に、発売の経緯やブランドの持つポテンシャル、今後の育成方針などについて話を伺った。

既存の自然派化粧品を超える
「ビヨンドオーガニック」提唱

 ――発売に至った経緯について教えてください。

 中原 「美」と「健康」に関して意識の高い女性が増えていく中、ナチュラルオーガニックというものがブームとなり、2012年9月に伊勢丹新宿店が世界中のナチュラルなコスメやフードが揃う「ビューティアポセカリー」をオープンし、その後に登場したCosme Kitchenでは、世界中の個性豊かなナチュラルオーガニックコスメを中心にした品揃えで、若い女性を中心に高い人気を獲得しています。

 安心・安全な最先端の技術を用いた化粧品開発を進めてきたアルビオンにとって当初は、ナチュラルオーガニックコスメはいつか挑戦するものという認識でした。ただ、「自然に還る」「自然とリズムを取る」というナチュラルコスメの考え方が、生活者に支持されていく状況には強い関心を持っていました。

 そうした折、日本におけるさらなる事業の拡大に向けパートナーを探していたインフィオレ社と接触する機会に恵まれ、創設者のジュリー・エリオット女史が目指す「リビングフードセオリー」(植物がもつ栄養素を最大限に人間の身体に取り入れる)というポリシーを理解するに従い、モノづくりのこだわりに合致する部分を見出せたことから、インフィオレ社とともにモノづくりがしたいと考えるようになりました。今から約3年半前の出来事です。

 インフィオレは、1999年、オーガニックムーブメントの発信地であるサンフランシスコにおいて創設された「ボタニカルアンチエイジングブランド」で、日本には2007年に上陸していました。上陸後は安定供給を最優先に限られた販路で展開していましたが、日本における事業拡大に向け、安定供給で後ろ盾となるパートナーが必要と考えていたようです。

 実際、エリオット女史にお会いすると、彼女の薬草学や自然療法に基づいた植物への深い造詣やリビングフードのセオリー(抽出法)に惹かれていき、アルビオンが持つ最先端技術と融合し、オーガニック原料などの天然成分を絶妙なバランスで組み合わせることにより、最大限に効果を発揮する処方を導き出せるのではないかと考えました。

 とにかく既存のオーガニックコスメを超えるものをつくりたいと思案する中、「世界中から選りすぐった植物の持ち味を最大限に活かす抽出法」で他社との差別化を図るというように方向性が定まり、導き出されたのが「ビヨンドオーガニック」という考え方です。

 ――「ビヨンドオーガニック」を実現するためには何が必要でしたか。

 中原 オーガニック認証の有無という尺度で争うのではなく、どれだけ効果実感を出せるかが重要だと考え、エイジングケア効果の高いオーガニックスキンケアづくりに努めていきました。

 商品化にあたっては、やはり「毎日使い続けられるかどうか」を最も大事にしました。感触や肌効果、後肌のよさなど、細部にわたって徹底してこだわりました。

 あと、植物の力を最大限に感じて使い続けてもらいたいという想いから、敢えてアルビオン独自の美容ステップである「乳液先行」にこだわらない美容法を取り入れることにしました。

 ――インフィオレのポテンシャルをどのように分析していますか。

 中原 百貨店のナチュラルオーガニックコスメ売場には、普段は外資系高級ブランドを愛用している客層の方々がたくさんいらっしゃいます。

 しかし、数百種類あるブランドの中で、目の肥えた彼女たちの審美眼にかなうブランドはあまり多くなく、安定供給という点がネックになり小規模なブランドが入り乱れているのが現状です。

 今後、成熟した大人女性が増えていきますので、エイジングケア効果の高いナチュラルオーガニックコスメはますます求められるでしょう。

 実際、化粧品専門店の奥様やスタッフの皆様にインフィオレの商品を試していただいたところ、最初の頃は天然植物成分が放つ独特な香りが苦手とおっしゃっていたにもかかわらず、1週間もしないうちに「毎日これがないと困る」と発言が変化していきました。その言葉を聞いた瞬間に、最初は抵抗があっても、お客様は使っていくうちに必ず虜になっていただけると確信しました。

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