花王・澤田社長、新しい発想と視点で市場活性化を目指す

週刊粧業 2017年1月1日号 68ページ

カンタンに言うと

花王・澤田社長、新しい発想と視点で市場活性化を目指す
 消費者の節約意識は根強いのですが、一方で、自分にとって本当に価値あるものを見極める選択眼も高くなってきており、こうしたニーズに応えることこそ、メーカーの責務ではないかと考えます。花王グループでは、様々な環境の変化や消費者の声を真摯に受け止め、人々に「気づき」や「驚き」、そして「感動」を与えるような「半歩先」の提案をし、それらを通して、消費者のより良い暮らしや社会に貢献していきたいと考えています。

 これまでも花王グループでは、新しい発想、新しい視点で「市場活性化」にチャレンジしてきました。昨年は、高齢化や環境意識の高まりに対応するため、使いやすさと環境配慮を両立した、シャンプー、コンディショナーの新たな詰め替え容器「ラクラクecoパック」を発売しました。

 詰め替えやすさに加え、自立するコンパクトな形状のため、輸送や店頭での陳列、家庭での保管時にも場所を取らないなど、様々な視点からの工夫がなされており、これによって詰め替え市場のさらなる活性化に寄与できるのではないかと考えています。

 また、化粧品事業においては、一昨年より進めてきました「ソフィーナ」の大改革に続き、昨年は「カネボウ」の改革もスタートさせ、化粧品事業の強化を図ってきました。昨年9月には、化粧品の研究・生産拠点である小田原事業場に、新たな美の拠点として「ビューティリサーチ&イノベーションセンター」を開所しました。花王グループ内の研究資産の最大化にとどまらず、革新性と創造性にあふれた美を生み出すという新たなステージを目指していきます。

 販売面においては、昨年1月、グループ販売会社の本社機能を統合し、花王グループカスタマーマーケティング株式会社が発足しました。旧来、花王カスタマーマーケティングが長年培ってきた総合的な提案力・市場分析力・売り場実現力と、カネボウ化粧品販売が磨き上げてきた顧客づくりのノウハウやカウンセリング力をともに最大限に活かしながら、市場の変化を先取りした、質の高い提案力とサービスを実現させるために立ち上げた新しい組織体制です。

 改めて基本に立ち返り、グループの総合力と専門性を強化し、販売店様への提案力の充実と、そのための社員力の向上に努め、さらに強固な販売力を構築し、実践していきます。

 昨年12月には、グローバルにおける企業価値の増大に向けて、2030年までに達成したい姿と、2017~2020年度までの4カ年を対象とした「花王グループ中期経営計画k20 (Kao Group Mid―term Plan 2020)」を発表しました。スローガンは、「自ら変わり、そして変化を先導する企業へ」です。

 花王グループはこれまでも、「グローバルで存在感のある会社」を目指して事業活動を推進してきましたが、「K20」を機にそれをさらに加速させていきたいと考えています。「K20」は、2030年までに達成したい姿、すなわち、「グローバルで存在感のある会社『Kao』」を実現するための重要な通過点と位置づけ、掲げた3つの目標(①特長ある企業イメージの醸成、②利益ある成長の実現、③ステークホルダーへの高いレベルでの還元)を達成するべく、花王グループの総力を挙げて取り組みを進めていきます。

 「K20」の遂行にあたっては、事業の成長を追求するだけでなく、事業活動を通じた社会的課題の解決による「社会のサステナビリティへの貢献」との両立により、従来からの基本姿勢である「世界の人々の豊かな生活文化の実現」を目指しながら、グローバル社会の一員として、責任を果たしていきたいと考えています。

 本年は「K20」のスタートの年にあたり、これまで以上に「消費者起点」「現場主義」の立場に重点を置き、消費者の皆さまとの対話を大切にしながら、「よきモノづくり」を推進していきたいと考えています。
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