ライオンは1月28日、全国の小・中学生を対象に雨水の有効活用に関するアイデアや具体的な活動などを募集する「雨活アイデアコンテスト2016」の表彰式を東京スカイツリーで開催した。
今回で6回目の開催となる同コンテストには、4部門で過去最多の計9289点(作文部門2109点、ポスター部門1291点、自由研究(自由表現)部門552点、標語部門5337点)の応募があり、当日は最優秀作品の受賞者8名(1名欠席)が招かれた。
主催者を代表して挨拶に立った小林健二郎取締役執行役員は、「我々の本社と東京スカイツリーがある墨田区は日本でも雨水活用が進んでいる場所で、東京スカイツリーには25mプール約17個分に相当する最新鋭の雨水タンクが設置されている」と、この日の会場となった東京スカイツリーの雨水活用例を紹介した後、「今年は前回(5090点)からほぼ倍の応募があり、超難関を突破して最優秀賞に輝いた皆様は本当に素晴らしい。このコンテストを通じ、改めて水の大切さを身近に感じて欲しい」と述べた。
作文部門では、自然と一体化した能楽堂の舞台を中心に、魚の養殖や和紙の生産など雨活のアイデアが豊かに表現された「雨のめぐみを生かした能楽堂」(小学6年生)、グラウンドへの散水や周辺地域の浸水被害抑制など、マツダスタジアムにある雨水貯留施設の有効性が綴られた「マツダスタジアムの意外な一面」(中学3年生)が選ばれた。
ポスター部門では、登場する人間や動物のにこやかな表情が印象的で、温かみのある表現で雨水の可能性を訴求した「雨水が育む命」(小学5年生)、雨の有効利用と雨に関わる日本文化を描写し、雨の力強さと同時に雨活の文化や面白さを表現した「天水と共に生きる」(中学2年生)が選ばれた。
自由研究(自由表現)部門では、森に降る雨がダムに溜まり、川水が水道水になる過程を実際に自分の目で確かめ、感じたことを丁寧にまとめた「何で山の方は雨がふりやすいか?」(小学4年生)、トマト栽培における雨水の与え方の影響に着目し、品質(糖度)と生産効率の向上、さらにコスト削減を目指した「雨水のコントロールによる農業生産物の品質向上を考える」(中学3年生)が選ばれた。
標語部門では、「あまみずは おふろやといれの ちょきんばこ」(小学1年生)、「水の星 雨でつながる 命の輪」(中学2年生)が選ばれた。
最後に、同コンテストの最終審査委員を務めた特定非営利活動法人「雨水市民の会」の山本耕平理事長が登壇し、「今年で6回目を迎え、雨や水のことへの理解が深まってきた印象を受けた。作文は自らの体験に基づいたものが多く、ポスターは手の込んだ作品がさらに増えた。自由研究は雨水からトマト栽培といったユニークな発想と、小学生の自由研究とは思えない高いレベルの作品が印象的で、標語は『命の輪』など言葉のセンスが非常に素晴らしかった」と総評した。