クイック、企業側は将来性・働きやすさのアピールを

週刊粧業 2017年2月13日号 8ページ

カンタンに言うと

クイック、企業側は将来性・働きやすさのアピールを
 化粧品・美容業界に特化した転職サイト「彩職(さいしょく)」を運営しているクイック(東証一部上場)は、業界の転職希望者と中途採用を行う企業に対して転職・採用支援を行っている。

 化粧品業界の求人市場について、化粧品業界専門のコンサルタントである小幡瑞季氏は「転職希望者数は例年と変わらないが、好業績の間に優秀な人材を確保しておきたいと考える企業がここ数年は増え、売り手市場が続いている」と話す。

 転職希望者にとっては、選択肢が広がり嬉しい反面、どの会社で自分の能力を活かせるのかという悩みに直面している。「彩職」に登録してくる転職希望者の中では、自身の仕事人としての価値を客観的に知りたいニーズが高まっているという。

 そうした登録傾向を踏まえた上で、小幡氏は企業側に「持続的な成長性やブランド力を求人募集の段階でしっかりと伝えておく必要がある」とアドバイスする。また、女性が多く活躍する業界であることから「福利厚生が充実している企業はアピールすべき」と付け加えた。

 その企業側が求める人材は、大手企業を中心に企画・研究開発、営業、インストラクター・トレーナーといった「即戦力」重視の職種募集が顕著に増加している。「成長持続に向けた増員を背景に募集するケースが多いため、フットワークの軽い人や、担当している仕事の範囲が幅広い人材を求める傾向が強まっている」と話す。

 業界特有の傾向として、カウンセリング・接客を行う美容部員育成に全国を飛び回れる人材を求める声は大きい。

 また、昨年に引き続き海外事業関連の求人や、外資系企業の募集も多くなっているが、「日系企業と外資系企業では採用活動に注力する時期も異なるため、転職希望者はやみくもに探すのではなく日頃から情報収集を続けてほしい」と小幡氏は言う。

 「最適なタイミングで転職活動を行うには、市況の把握が不可欠だ。たとえば『彩職』のウェブサイトでは、毎月最新の求人市場のトレンドや新着求人を紹介するコラムを連載している。情報収集の一つのツールとして活用してもらえれば」とアドバイスした。
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