花王、フローラル系香料の生産設備をフィリピンに新設

粧業日報 2017年6月9日号 4ページ

カンタンに言うと

花王、フローラル系香料の生産設備をフィリピンに新設
 花王はこのほど、ケミカル事業の新たな設備投資として、フローラル系香料(以下、HCA)の生産設備を、フィリピンのピリピナス花王(ハサーン工場、PKI)に新設することを決定した。

 1979年より天然アルコールを生産するピリピナス花王に新設するHCAの生産設備は、生産能力5000トン/年で、伸長著しいアジア市場の需要を賄うことを目的に2018年秋の完成を目指している。

 HCA(ヘキシルシンナミックアルデヒド)とは、ジャスミンに代表される華やかで清潔感のあるフローラル系香料で、洗剤・柔軟剤・クリーナーなどのファブリック&ホームケア製品から石鹸・ボディーソープなどのパーソナルケア製品まで、家庭用品に幅広く使用されている。

 花王のケミカル事業の1つに、天然アルコールを原料とした香料事業があり、HCAは花王スペインの既存設備に加え、今回の投資により生産数量がグローバル№1の規模となる。

 近年、経済の成長が著しいアジアを中心に家庭品の香りに対する消費者の嗜好はますます強まっており、中でも華やかで清潔感のあるフローラル系香料は高く支持されている。これに伴い、「アジアにおけるHCA市場も大きく伸長している」(同社)という。

 同社は、HCAの外販拡大を目的に、原料である天然アルコールの生産拠点(フィリピン)の敷地内に生産設備を新設することで、アジアの需要拡大に応えていく。
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