花王、真皮ヒアルロン酸の代謝バランスが崩れる原因を解明

粧業日報 2017年6月14日号 1ページ

カンタンに言うと

花王、真皮ヒアルロン酸の代謝バランスが崩れる原因を解明


健やかな肌づくりにはヒアルロン酸の
合成と分解の均衡を保つことが重要

 花王グループでは、1981年(当時はカネボウ化粧品での研究)より、半減期が数日といわれ、水分を保持するだけでなく、肌の弾力性など、物性にも関与すると考えられている「ヒアルロン酸」の合成のしくみやその制御について、業界の先駆けとなる多くの知見を蓄積してきた。

 こうした中、これまでヒアルロン酸と皮膚形状との関連性についての詳細は、明らかにされていなかったため、長年不明のままであった分解に関するメカニズムについても研究を続け、2013年には、皮膚真皮のヒアルロン酸分解の律速因子を発見。「HYBID(HYaluronan Binding protein Involved in hyaluronan Depolymerization)」と名づけた。

 これにより、花王グループでは皮膚ヒアルロン酸の合成と分解の様子を同時に観察することが可能になっている。

 研究では、目尻のシワ・たるみとヒアルロン酸量との関連性について解析したところ、シワが深く、たるみが大きいほど、真皮のヒアルロン酸量が低下していることを発見した。このことにより、真皮ヒアルロン酸が老化に伴う皮膚形状変化に深く関与していることが明らかになった。

 また、日常的に光を浴びシワが形成されている目尻と、光を浴びない上腕内側部のヒアルロン酸量を比較したところ、目尻の皮膚真皮でヒアルロン酸の量が顕著に低下していることがわかった。

 さらに、ヒアルロン酸量が低下する要因を解明するため、真皮ヒアルロン酸の分解律速因子「HYBID遺伝子」と、合成を調節する「HAS2(ヒアルロン酸合成酵素2)」遺伝子の発現の様子を、シワのある目尻部位と上腕内側部において比較した。

 その結果、光露光部である目尻の皮膚真皮では、ヒアルロン酸分解に関与する「HYBID遺伝子」の発現量が亢進しており、合成に関与する「HAS2遺伝子」の発現量は逆に低下していることを見出した。

 これらのことから、光を浴びる顔部では、ヒアルロン酸の分解能力が合成能力を上回り、その結果、真皮のヒアルロン酸が減少することが明らかとなった。

あと33%

粧業日報の有料プラン(制限なし)をご契約の方のみ閲覧可能です

  • PC、スマホからいつでも
  • WEBでかんたん記事検索
  • お手元に届く紙面版も販売
有料プランについてはこちら
ホーム > 化粧品業界人必読!週刊粧業オンライン > 花王、真皮ヒアルロン酸の代謝バランスが崩れる原因を解明

ライブラリ・無料
ダウンロードコーナー

刊行物紹介

定期購読はこちら
お仕事紹介ナビ

アクセスランキング

  • 日間
  • 週間
  • 月間
PDF版 ダウンロード販売
化粧品マーケティング情報
調査レポート
株式会社矢野経済研究所
pagetop