美容総合サイト「@cosme」を運営するアイスタイルの子会社であるコスメネクストは、展開するコスメセレクトショップ「@cosme store」の出店を通じて化粧品店業態の新たな価値創造を推進している。
今年3月17日に商業施設「町田マルイ」の3階にオープンした「同町田マルイ店」(38坪、以下「町田店」)では、資生堂と協働し、「グローバル資生堂」をはじめとする資生堂ブランドを一堂に取り揃えた売場を展開するとともに、美容レッスンなどワークショップを定期的に開催する新たな試みを進める。
同社の石井亮営業部長は、「『体験価値』を高めると同時に、その様子をWebコンテンツとして配信することで『情報価値』を高めることも狙いとしている」とワークショップの取り組みを位置づけ、「店舗事業を底上げするインキュベーターのような役割を担う仕組みづくり」にも意欲を示す。
店内にワークショップスペース
グローバル資生堂で若年層獲得
「@cosme store」は、「試せる、出会える、運命コスメ」をテーマに、「@cosme」を活用した「情報価値」と、店内での「体験価値」をミックスさせたメディア発想の店づくりを推進している。
2017年7月現在で、国内23店舗、海外3店舗の計26店舗を運営しており、全店の月間来店客数は80万人にのぼる。
今春オープンした町田店では、「自分に合った商品と出会えた後の体験価値」を高められる店づくりを目指し、国内最大手メーカーの資生堂とタッグを組んだ。
資生堂とは「化粧品専門店業態で新たなことにチャレンジしたい」という共通認識が得られたことから協働の話が進んだという。互いの強みを活かせる形を検討し、ワークショップによる体験価値を提供できる店舗として立ち上げた。
経験豊富なアーティストが多数在籍し、様々なブランドで構築している美容法やノウハウを積み上げている資生堂の強みと、自社メディアの強みを活かせる施策として、正しい化粧品の使い方などを学んでキレイになれる「How to(ハウツー)」を提供する「ワークショップスペース」を店舗奥に設ける。
町田店がある町田駅周辺は、地元商圏でありながら、多くの学生が駅を利用しており、顧客層は20代を中心に、学生から60代以上まで幅広い。地元商圏であり、幅広い世代の客層が見込める点も「新たな体験価値の提供にチャレンジしていくには適したエリア」と話す。
化粧品売場には、国内23店の中で初導入となる「グローバル資生堂」のほか、「クレド・ポー ボーテ」「ベネフィーク」など資生堂ブランドがズラリと揃う。店内売上の約3割を資生堂ブランドが占める。
全店でも初導入となった「グローバル資生堂」は、アウト展開や企画コーナー、ランキングコーナーなど顧客が立ち止まる要所要所で話題のアイテムと出会える接点を散りばめ、資生堂ブランドの中で売上構成比25%と高いシェアを占め、好調に推移している。