ビタミンC60バイオリサーチ、ヘアケア専用の新規フラーレンを開発

C&T 2017年12月15日号 53ページ

ビタミンC60バイオリサーチ、ヘアケア専用の新規フラーレンを開発
 ビタミンC60バイオリサーチは、2017年に開催した「CITE Japan」において、新たなフラーレン原料を2種発表し、販売を開始した。

 そのうち、ヘアケア製品向けの「ヘアシャイニーフラーレン(HF)」は補修機能の高いγ―ドコサラクトンと組み合わせ、開発した。

 同製品は、特殊な組成でフラーレンを安定化させており、水を加えて水溶液にすると100nm以下のナノエマルジョンが形成され、毛髪への浸透が促進される。

 フラーレンの特徴である抗酸化機能が「防御」し、γ―ドコサラクトンがダメージを「補修」するというダブルの効果により、毛髪の内外からアプローチして、紫外線などによるヘアダメージをケアしていく。

 もともとフラーレンは、紫外線によって活性酸素が発生するのを抑え、また発生した活性酸素を除去するフリーラジカル機能があることがわかっているため、既存の「ラジカルスポンジ」「リポフラーレン」がヘアケア製品にも使用されており、実際に両製品でキューティクルの乱れを抑える結果を得ていた。

 しかし、ヘアケア専用のフラーレン原料を求める声が年々大きくなっていたことを受け、毛髪に焦点を絞ったより専門性の高い新原料の研究がスタートし、その過程でγ-ドコサラクトンがフラーレンと相性がいいことがわかったため、「HF」が開発されたという。

 毛髪浸透性試験では、油溶性色素ナイルレッドを1%濃度の「HF」水分散液を調整し、試験液を作製した。ダメージ毛を25℃の試験液に15分間浸し、その後ドライヤーで乾燥した。毛髪断面切片を作製し、蛍光顕微鏡で観察した。

 その結果、1%「HF」配合のナイルレッド試験液に浸したダメージ毛は高い反応が得られ、ナノエマルジョンが毛髪へ浸透することが確認された。

 また、染毛剤処理後の退色抑制効果についても試験を行った。

 試験では毛髪は白髪を使い、2回ブリーチした後に染毛した。製剤は、「HF」1%水溶液とフラーレンなし「HF」水溶液、水処理のみの3パターンとした。

 洗髪、タオルドライ、製剤スプレー、ドライヤー乾燥、水を軽くスプレー、10分間のUVB照射、洗髪を繰り返し、評価は初期値のLab値からの色差⊿ Eで行った。

 その結果、「HF」は染毛剤の退色を抑制し、特に紫外線を反復で照射した時には、フラーレンによる保護効果が発揮された。 

 同製品には処方アドバイザーがおり、よりスムーズに製品化できるようサポートし、「髪のアンチエイジング原料」として浸透を図るとしている。
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