ゼロからの奇跡、ひらめきを辿り完成させる唯一無二の研究開発力

週刊粧業 2018年3月12日号 4ページ

ゼロからの奇跡、ひらめきを辿り完成させる唯一無二の研究開発力
 創業から17年以上経った今も、植物研究の知見と感性を活かした化粧品開発に取り組むメゾンレクシアのコンポーザー(処方開発者・調香師)木下麻純氏。その独創的な処方は、顧客の要望に応え展開する限定製品にも表れている。

 スキンケアライン「オラクル」から6月4日の再登場が決定した春夏限定のナイトクリームは、濃密なのに軽やかでみずみずしい使用感を叶える新処方を採用している。

 連載2回目は、魅力的な製品を生み出す、その独自の美容理論に迫る。

 第1回(2月26日発行号)で触れたように、木下氏は、真に上質な化粧品を追求し、原料となる植物から育てる自社一貫体制を整備。植物本来の力を引き出す処方を確立させた。



 その処方の根幹を成すのが、万物の成り立ちを『火・水・風・地』によって理解する古代ギリシアの自然哲学思想「4元素論」とチベット仏教の「曼荼羅」から導き出したメゾンレクシア独自の美容理論だ。

 詳細は木下氏の著書「ゼロからの奇跡・第五章」に記されているが、実や種、花や茎など植物が部位ごとに持つ特有の力と天然の香気に着目し、その相乗作用を鑑みた処方を組むことで、肌と心のバランスを整え、美しさを高めていくという考えである。

 この美容理論は、メゾンレクシア誕生の原点である「オラクル」はもちろん、独自開発の酵母発酵エキス(整肌保湿成分)を高配合し、しなやかに潤う肌へ導くスキンケアライン「アルケミー」、植物研究の知見を昇華させた、まるでスキンケアのような「ベースメイク」、天然香料を主体に調香した「香水」など、メゾンレクシアならではの独創的な新製品を開発する際の重要な軸となっている。

時代を読み取り、進化し続ける開発者

 木下氏は、ブランドの歴史を、一直線に駆け上がるというより、じっくりと試行錯誤を重ねながら、円を描くように上へ上へと昇っていく、らせん階段のようだと表現する。

 そして、その中心たる開発は、「上質なもの」「美しいもの」「心を豊かにするもの」を創るという信念さえ共通であれば、開発者が発想を広げるのは自由であり、それぞれの個性が生かせる職業だと。だからこそ開発者は、常に時代を読み取り、自身の世界観を進化させ続けねばならないと述べる。(197頁)

 ひらめきを信じ、挑戦し続けることでのみ辿りつける「ひとつの形が明確になる瞬間の気持ち」。これこそ研究開発の基本であり大切にして欲しいと、木下氏は未来の開発者たちに語りかける。
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