ゼロからの奇跡、五感の旅へといざなう独創的なフレグランス開発

週刊粧業 2018年3月26日号 13ページ

ゼロからの奇跡、五感の旅へといざなう独創的なフレグランス開発
 「私の香りの旅は現在も続いています」(著書「ゼロからの奇跡」151頁)。磨き抜かれた真の上質を女性に届けるために。メゾンレクシアのコンポーザー(処方開発者、調香師)である木下麻純氏は、化粧品開発の中で、「香り」を肌と心に響く大切な要素として追求し続けている。

 その想いが稀少な天然香料を主体とした唯一無二の香水の誕生をもたらし、独自の歩みを続けるブランドに欠かせない領域となっている。連載最終回では、コンポーザーならではの香りの考え方と、それを伝承していく後継者への想いを紹介する。

 第2回(3月12日発行号)で触れたように、木下氏は植物の真価を引き出す処方開発の中で、その天然の香気が生体にもたらす神秘的な働きに着目。

 安定性に優れた合成香料による賦香が一般的な化粧品にも、厳選した約200種の天然香料を目的に応じて調合している。天然香料ならではの奥深い香りがもたらす、女性を芯から美しくするような豊かな感覚。これも独自の歩みを続けるメゾンレクシアならではの魅力だ。



 この香りへの探究心が、2014年の香水1作目「エッサン オードトワレ」誕生につながるのだが、この調香も通常とは異なる。多くの香水が合成香料を主体とし、ごくわずかに天然香料を加えている中、メゾンレクシアは、上質な天然香料を主体とすることで、五感のすべてをも刺激し、「使う人自身が優雅な心になれる」新しい香りを追求している。

 歴史ある天然香料に、現代の智恵と技術を調和させた独創的な香りは、顧客を虜に。今年1月に発売された4作目「エレガンス オードパルファム」は、シトラスやフレッシュローズからなる、今を生きる女性の感性に心地よくフィットする香りだ。

感性豊かな開発者だけが生みだせるもの

 著書・第4章では、自身のキャリアから感じた香りの価値を、より専門的かつ実践的に紹介している。

 木下氏は、イメージを香りで表現する作業は、画家や音楽家のような「創作的な活動」であると説き、自分の世界を表現するには、「美しいものを知る目や感性」が必要であるとの考えを示す。同時に、「香料を正しく理解し、確かな技術と正確な知識の積み重ね」が重要であるとも語っている。

 さて、冒頭に戻ろう。コンポーザーとして生涯現役宣言ともとれる言葉である。そして木下氏は、これからも続く香りの旅の中で、「夢や美のある製品を作りたい」という強い信念と志を持つ、魅力的な研究開発者との出会いを心待ちにしているようだ。
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