「CMNIP70ZK1J」は、従来のディスパーションに比べて「分散剤の配合量を3分の1までカットした(当社比)」(開発担当)といい、分散媒も軽い使用感のシリコーン油やエステル油を使うことで最終製剤の使用感に影響しにくい酸化亜鉛ディスパーションとなっている。
さらに、粉体濃度が70%まで高めることに成功。目的のUV遮蔽性を出すために必要な処方への配合量が従来品と比べ少なくなり、自由に配合できる成分の割合が増えるため、処方開発の幅が広がる製品となっている。
またKOBOディスパテック社では、分散技術を応用して、メイク製品に使用される顔料を分散させたカラーディスパーションも製造している。
3本ローラーやディスパーミキサーを用いた従来の方法で製造された分散物よりも分散性や色の安定性が良く、ロットブレも少ないことが特徴だ。また、発色やツヤ感に優れ、塗布表面が滑らかで粒残りも生じにくく、ロットブレも少ない。さらに、流動性のあるペースト状になっているため分散効率がよく製造作業の短縮ができ、粉散りする心配がないため作業環境の改善にもつながる利点もある。
美白分野では、メラニンの排出を促し色ムラのない美肌へ導くリノール酸誘導体「NIKKOL VF-LINO」の提案に注力している。
「NIKKOL VF-LINO」は、「メラノソームの表皮細胞への取り込みを抑制」し、「ターンオーバーを正常な状態へ誘導」する2ステップで美白効果をサポート。新しい作用メカニズムに着目した製品だ。
皮膚の色の変化は、紫外線の暴露などにより合成されたメラニンがメラノソームという小胞が表皮細胞へと取り込まれ、皮膚表面に顕在化して起こる。さらに紫外線の暴露は、メラノソームの表皮細胞への取り込みも促進することが知られている。
「NIKKOL VF-LINO」は、表皮細胞への過剰なメラノソームの取り込みを抑制する作用があるため、皮膚表面でのメラノソームの顕在化を防ぎ、美白効果をサポートすることが期待できる。
また、表皮細胞のターンオーバーは、メラノソームを取り込むことで遅延することが知られている。遅延したターンオーバーを戻すため、単純にターンオーバーを促進させても、効果があるとは限らない。色素沈着部位以外のターンオーバーも速くなってしまうため、全体の皮膚の色は改善しているにも関わらず色素沈着部位とその他の皮膚の色の差がより強調され、色ムラが目立ってしまう場合がある。そのため、ターンオーバーを促進するよりも遅延したターンオーバーを通常の速度まで戻すことが重要だ。
「NIKKOL VF-LINO」は、メラノソームを取り込んでターンオーバーが遅延した表皮細胞にのみ働くため、ターンオーバーが正常化し、色ムラの改善が期待できる。
日光ケミカルズでは、このような優れた製品をただ単に紹介するのではなく、最終ユーザーを意識した処方とともに紹介している。
また、顧客の要望に応じた的確な安全性・有用性評価方法や共同開発の提案もしており、開放研究室における製剤化支援や研修など、グループの総合力を活かした、他社ではできないような提案型企業として活動を行っている。