資生堂、緊張によるストレスで皮膚ガスが発生することを発見

粧業日報 2018年10月4日号 1ページ

資生堂、緊張によるストレスで皮膚ガスが発生することを発見
 資生堂は、加齢や情動、食事などを反映して変化する皮膚ガス(皮膚表面から放出される気体)に着目して研究を続ける中、緊張による心理的ストレスが加わることで特徴的なニオイが皮膚ガスとして放出される現象を発見し、その成分として2つの化合物を特定した。

 今回の知見は、皮膚ガスが生理的に重要な指標であり、心理的変化を捉えることができることを示すものでもあることから、同社では2017年4月に発表した「ノネナール(加齢臭)が皮膚ガスとして皮膚表面から放出されている」という知見に続く皮膚ガスの研究成果と位置づけている。

 同社は長年にわたり、調香師による香りの創出だけでなく、臭気判定士による体臭の研究を行う中で、人が緊張によるストレス状態にあると硫黄化合物のような特有のニオイが発生することを発見。この現象を科学的に確認するために、インタビューストレス試験(初対面のインタビュアーからの質問に20分間回答し続ける試験)を実施した結果、この特有のニオイの発生には再現性があることを確認した。

 緊張によるストレスで発生するニオイ成分を分析するため、インタビューストレスを受けた人の皮膚ガスを、中の空気を純窒素ガスに置換した専用の器具を用いて採取。採取した全ての人の皮膚ガスを臭気判定士が確認した結果、特有の「硫黄化合物系のニオイ」がすることを発見した。

 また、このニオイの原因となる物質を特定するためGC/MS-ODPを用いて分析した結果、主要成分がジメチルトリスルフィド(dimethyl trisulfide,DMTS)とアリルメルカプタン(allyl mercaptan, AM)であることを見出し、この2つの成分を「STチオジメタン」と名付けた。

 さらに、2つの成分を特定するだけでなく、ニオイを包み込んで目立たなくする独自の「STアンセンティッド技術」についても開発した。
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