コーセー、やわらかな手触りで自然なヘアスタイルをキープする新素材を開発

2013年7月4日 13時01分

 株式会社コーセー(本社:東京都中央区、代表取締役社長:小林一俊)は、信越化学工業株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:森俊三)との共同研究により、なめらかで弾力のある質感が続くヘアスタイリング剤用ポリマー「カチオン性アクリルシリコーン樹脂※」を新たに開発しました。8月21日に発売する「スティーブンノル」の新スタイリングライン「スタイルジェニック」に応用します。  ※カチオンとはプラス(+)の電荷をもったイオンのことです。 kose20130702_2.jpg  「カチオン性アクリルシリコーン樹脂」は髪の自然な質感を残しながら、好みのヘアスタイルを長く維持するために開発された、ヘアスタイリング剤用のポリマーです。弾力があり、髪への付着性が高いという性質があるので、髪表面にしなやかで均一な膜をつくります。このため、髪のやわらかさを損なうことなく、整えたヘアスタイルを長く保ちます。  アクリルシリコーン樹脂は、べたつきのない使用感や皮膜の弾力性などに特徴があり、化粧品素材として使用されています。しかし、油溶性であるため水性剤型への配合が難しく、口紅やファンデーションなど、油性のメイキャップ製品での使用に留まっていました。当社は、このアクリルシリコーン樹脂の特徴をもちながら、水性剤型へも配合できる新素材の開発を進めてきました。  アクリルシリコーン樹脂の物性をコントロールするため、アクリル鎖へ導入する官能基を検討しました。シリコーン鎖に加え、カチオン性の官能基を導入したところ、アクリルシリコーン樹脂特有の使用感を持ちながら、エタノールへの溶解性が高まり、ヘアミストのような水性剤型への配合が可能になりました。髪の毛は水に濡れるとマイナス(-)電荷を帯びる性質があるため、ポリマーにカチオン基を導入することで、髪への付着性も向上しました。 kose20130702_3.jpg  ヘアミストやヘアスプレーなどのスタイリング剤に求められる機能としては、セット後のヘアスタイルが長時間続くことに加え、使用時のべたつき、ごわつき、フレーキング(粉ふき)といった、難点が無いことも求められます。従来のセット力に優れる商品は、セット機能は満たしている一方、ごわつきやもろさがあるといった課題がありました。  今回開発した新素材の「カチオン性アクリルシリコーン樹脂」を一般的な樹脂と比較したところ、高い弾力性を有していることが明らかとなりました。更に、作成した皮膜を観察したところ、一般的な樹脂は、もろく亀裂が入っている様子が多く観察されたのに対し、カチオン性アクリルシリコーン樹脂の皮膜はなめらかで柔軟性に優れていることが明らかとなりました。 kose20130702_4-1.jpg  さらに、「カチオン性アクリルシリコーン樹脂」を配合したヘアミストと従来品を比較したところ、なめらかな使用感と弾力感、カール持続効果に優れていることが明らかとなりました。本素材は、8月21日に発売する「スティーブンノル スタイルジェニック」に初めて配合します。 kose20130702_4-2.jpg

お仕事紹介ナビ

アクセスランキング

  • 日間
  • 週間
  • 月間
PDF版 ダウンロード販売
化粧品マーケティング情報
調査レポート
株式会社矢野経済研究所
pagetop