第8回 「2011年上半期ベストコスメの結果と消費トレンドについて」

 今回はアットコスメにて発表した2011年の上半期ベストコスメの結果と、そこから見えてくる消費トレンド傾向などについて考察したい。

 『2011年@cosme上半期ベストコスメ』の結果は以下の通り。(表1)

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 集計方法/2010年11月1日~2011年4月30日の6カ月間に発売された商品に対し、同じく同期間内になされたクチコミ投稿の評価点を元に集計して、各アイテムカテゴリー別に上位商品を発表。なお、全カテゴリーの受賞結果については以下ページをご確認ください。
http://www.cosme.net/html/bestcosme/2011_half/index.html

 該当期間に最も高いポイント数を集めて総合大賞を獲得したのは「コスメデコルテ ホワイトロジスト スポッツコンセントレイションEW」(25mL1万2600円/38mL1万5750円)。

 薬用美白エッセンスという、商材としての目新しさや派手さがあるとは言い難いアイテムながら、クチコミのコメントを見てみると、『美白+保湿』の相乗効果による高い満足感と、それを実感させる『即効性』が評価ポイントとなっており、比較的高価格帯の商品であるにもかかわらず、269件/平均5.4点(7点満点)のクチコミが寄せられての受賞となった。

 また、愛用者に『30代以降』『乾燥肌』のユーザー比率が高いのも特徴的で、メーカー側のコミュニケーション戦略が成功し、この商品の良さを正当に評価してくれるターゲット層にしっかりとアプローチできているからこそ、これだけ多くの高評価を得られたのではないかと推測している。

 ヘアケア部門の「ケラスターゼ ユイルスブリム」(125mL3675円)も同カテゴリー内では高額品の部類に入ると思うが、「これを使うと手触りが変わる!」「まとまり感やツヤ、ハリに関して効果覿面(てきめん)。リピートしたい」など、期待を上回る効果実感が得られると多く支持を集めた。

 また、ベースメイク部門の「ソフィーナプリマヴィスタ 皮脂くずれ防止 化粧下地」(25mL2940円)は昨年のベストコスメ大賞を受賞した「ロングキープベース」の後継品。同カテゴリーには手頃な価格帯のアイテムも数多く並ぶ中で、「とにかく崩れにくい」「もうこれ以外には使えない」という熱狂的なコメントが目立ち、6カ月で462件ものクチコミ投稿が寄せられている。

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山田メユミ

株式会社アイスタイル 取締役 CQO / コーポレート領域管掌

東京理科大学を卒業後、化粧品原料メーカー研究開発部を経て、化粧品メーカー商品開発部に勤務。在職中に趣味で始めた化粧品のメールマガジンへの反響をもとに、化粧品クチコミサイト「@cosme(アットコスメ)」を立案し、99年12月に@cosmeオープン。2000年より株式会社アイスタイルに正式参画し、同社取締役@cosme主宰兼CCO(最高コミュニティ責任者)として活躍。その後、アイスポットの社長となり、現在に至る。その他、イベントや業界セミナーなどで、消費者動向や化粧品トレンドに関する講演活動を多数行っている。

http://www.istyle.co.jp/

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