第9回 中国訪販化粧品市場の動向

 中国における訪販は、1990年代前半に外資系企業によって導入され、企業家精神の強い中国人に人気を博し、新しい販売形態として普及しました。しかし、不法企業によるネズミ講や詐欺による消費者被害が多発して、社会問題となりました。そこで、98年4月、中国政府は「傅銷経営活動禁止に関する通達」を出し、訪問販売を全面禁止し、訪販ルートは消滅しました。その後、01年に中国がWTO加盟した後、欧米各国からの強い要求を受けた中国政府は、05年12月に「直銷管理条例」を施行、訪販を解禁しています。現在、中国において訪販をするためには、 厳しい条件をクリアしてライセンスを取得する必要があります。

 まず、ライセンスを取得するためは、中国政府の指定した営業地域での販売組織の構築だけでなく、小売店を設置しなければなりません。これは、消費者からのクレームなどに迅速に対応させるための施策です。さらに、①最低登録資本8000万元、②最低保証金2000万元、③多層型訪問販売の禁止(マルチレベルマーケティングの禁止)、④販売員の報酬上限規定(販売金額総額30%まで)、の条件をクリアする必要があます。ライセンス付与に最低10000万元以上の資金が必要なことから考えると、経営資源の豊富な大企業の参入を視野に入れたものと見られます。

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浅井潤司

(株)矢野経済研究所主席研究員

2000年に矢野経済研究所に入社後、主にビューティー・リラクゼーション業界の市場調査、分析業務を担当。また、調査・分析業務だけでなく、中国市場進出支援、販路開拓支援、新規事業支援、地域振興・産業振興支援などのコンサルティング業務も手がけている。

http://www.yano.co.jp/china/

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